大分・杵築の大分農業文化公園(杵築市山香町、TEL 0977-28-7111)で現在、恒例の「椿まつり」が開かれている。
毎年ツバキの見頃となる2月下旬から4月にかけて開く同イベント。屋内外に植えた約400種・1000本の木が約2カ月にわたって順に開花するのに合わせ、さまざまな催しで来場者を楽しませる。
今年の大分県のツバキの開花は2月20日。大分地方気象台によると、冬場に厳しい冷え込みが続いたこともあり、平年より24日、昨年より41日遅くなったという。同公園担当者も「例年3月上旬には屋外の木でも100種類ぐらいが咲いている。今年は全体的に開花が2、3週間遅い」と話す。
東ゲート側に広がる屋外のツバキ園には、散策路を彩るように間隔を空けてさまざまな種類の木を植えている。高さ約6メートルで国内最大級という「玉之浦」や同公園限定の「宇佐椿(つばき)」といった貴重種もあり、品種の多さ、管理方法、展示手法などが評価され、2012年には国際ツバキ協会から「国際優秀ツバキ園」の認定を受けた。
3月12日現在、薄いピンクの大輪の花を咲かせる洋種の「バレンタイン・デー」など数種が満開となっているが、多くの木がつぼみの状態。それでも花びらの縁が白い「玉之浦」は数輪が開き、赤い大輪の花を咲かせる「宇佐椿」はつぼみがほころび始めた。同公園企画営業班班長の矢野俊二さんは「2種類は公園の顔。ここ数日の暖かさで咲いてくれた。来週にかけては咲き始めの美しさを楽しめそう」と言う。
正面ゲート側の屋内施設「椿花咲苑(つばきはなさきえん)」には、洋種、和種、原種など約100 種類を展示栽培している。現在、多くの花が見頃を迎えており、今年のポスターを飾った「津川絞(つがわしぼり)」、八重咲きの「たくみ」や「蓮華(れんげ)」などが咲いている。ほかにも香りを楽しめる「香織姫」、金魚のような形の葉が特徴の「梵天白(ぼんてんじろ)」といった変わり種も並び、来場者は写真撮影などを楽しんでいる。大分市内から遊びに来たという夫婦は咲き誇る花々をゆっくりと鑑賞し、「今度は屋外のツバキも見に来たい」と話していた。
まつり期間中の毎週日曜に「つばき油手しぼり体験」、3月24日・25日に100品種の切り花展示を行う。矢野さんは「これから次々と開花して春休みまでには咲きそろうと思う。ナノハナやサクラのシーズンとも重なるので見に来てほしい」と呼び掛ける。
開園時間は9時30分~17時。入園・駐車場無料。4月1日まで。以降も屋内外のツバキは自由に観賞できる。