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別府・鉄輪の「双葉荘」 老舗湯治宿の源泉が化粧水に

化粧品を手にする伊東さん(右)と中村さん

化粧品を手にする伊東さん(右)と中村さん

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 別府市の老舗湯治宿「双葉荘」(別府市鉄輪東6、TEL 0977-66-1590)の温泉水を使った化粧水「別府かんなわ温泉化粧水シリーズ」3品の販売が3月1日、始まった。

双葉荘の源泉を使った化粧品

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 化粧品メーカー「FILTOM(フィルトム)」(本社=福岡県北九州市)が開発・製造・販売を手掛ける同商品。フィルターによるろ過で滅菌するという同社の独自技術を使い、源泉を無菌状態で採取した。用途に合わせた弱酸性、弱アルカリ性、弱アルカリ性ゲルの3商品を開発。研究延長上の試作品という位置付けで「プロトタイプシリーズ」として販売する。

 1940(昭和15)年創業の双葉荘は、湯治客を対象とした貸し間専門の自炊宿。塩化物泉の源泉は95.3度の高温で、適応症はリウマチ性疾患、運動障害、創傷、幼児のアトピー、飲用として慢性消化器疾患、慢性便秘などとしている。鉄輪を代表する宿の一つとして利用客は全国に及ぶ。

 今回は、商品開発などをプロデュースする「n406」(大分市府内町2)が橋渡し役となった。過去に双葉荘の利用がある同社取締役の中村由佳さん(51)がフィルトム社とともに、知人の協力を得て源泉調査を行い、肌の必須栄養素であるというカリウムを高濃度で含んでいることを確認。経営者の伊東アサ子さん(73)の許可を得て、商品化に乗り出した。

 新商品は、源泉をそのまま詰めた「弱酸性」と、ph(ペーハー)調整した「弱アルカリ性」(以上、冷蔵保管)のほか、携帯用に常温保存を可能とした「弱アルカリ性ゲル」も用意。「双葉荘の源泉をいつでも使えるというのは個人的にもうれしい」と中村さん。

 源泉を提供した伊東さんは「同じ泉質でも場所や掘る深さによっても成分は違うと思う。それぞれの湯に個性がある」と説明する。商品化に当たっては「これまでに同じような話は何度かあったが、いずれも直接、温泉を売るといった話ばかりだった。自分なりの役の立ち方があると思っていたので、こういう形で提供できて本当にうれしいし楽しい」と笑顔を見せる。

 ポンプボトル入り100ミリリットル。各5,000円。n406と同社のオンラインショップで販売する。

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