杵築市の旧消防署跡地に3月24日、新しい市立図書館(杵築市南杵築、TEL 0978-62-4362)がオープンする。
利便性が低かった旧図書館の老朽化を受け、「出会う 学ぶ 変わるー交流の館(ひろば)」をコンセプトに建設された同施設。鉄筋コンクリート2階建て、延べ約2070平方メートルで、蔵書は旧図書館の6万7000冊の中から選んだ5万冊に、新たに5万冊を加えた10万冊。外観は周囲の城下町の景観に合わせ、本を伏せた山形状の切り妻屋根、白壁などの和風建築とした。内観は高い天井と書棚と平行になるように取り付けた照明が特徴。窓のガラス面を広く取るなど採光に工夫した。
図書スペースは入り口から緩いカーブ状に延びる「本のみち」をつくり、左右に書棚を配列した。左側に杵築の関連図書、新着本などを並べ、右側に児童書、雑誌、10代向け、一般書と世代ごとに分けて配置。棚の間には検索機も複数置き、突き当たりにコミュニティスペースを兼ねた「知識の広場」を設けた。
窓際などの明るいスペースは閲覧席として活用。ソファや背もたれ付き椅子などを備えたゆったりと読書ができるエリアもつくった。富永一也館長は「『本のみち』をそぞろ歩きして、気に入った一冊を手に、お気に入りの場所でゆっくり読書を楽しんでもらえれば」と話す。
2階には仕切りの付いた24席の学習スペースも用意。他にも畳張りの部屋を備えた児童コーナー、多目的室、会議室2部屋、飲食エリアなども備えている。
19日には市民を対象とした内覧会が午前と午後の2回行われた。午前の部には75人が参加。富永館長やスタッフから館内の説明を受けて回った。同市本庄の東由梨さん(39)は長男の光亮君(6)と一緒に来館。「前の施設に比べて広く明るくなった。本もDVDも充実しているし、子ども向けの本や遊具もある。居心地もいいのですぐにでも利用したい」と新施設を歓迎した。
富永館長は「建設中も図書館新設を知ったたくさんの市民がお薦めの本を寄贈してくれた。その関心の高さと善意がうれしかった。開館後もそうした輪が広がるような出会い、交流、学びの場にしていきたい」と意気込む。
内覧会は20日も11時と14時の2回行う。3月24日は14時開館。お茶の無料提供、和歌山大の渡部幹雄教授を招いた記念講演「新杵築市立図書館に期待するもの」などのイベントを行う。飲食エリアでは杵築ならではのメニューも提供する。
開館時間は、平日=10時~18時、土曜・日曜=9時~17時。火曜定休。