大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)の1階展示室Aで6月15日、「アート&デザインの大茶会 マルセル・ワンダース、須藤玲子、ミヤケマイ」が始まった。
今秋に「おおいた大茶会」をテーマに開かれる国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭を記念し、「センセーショナルな現代版茶会」として開催。2015年4月24日の開館時にアトリウム展示を手掛けた3人が再び集い、空間全体を芸術とするインスタレーションを展示する。
マルセルさんはオランダを拠点に活動。企業とのコラボレーション商品、ホテルや商業施設の内装などを通し、先鋭的なデザインを発信し続けている。須藤さんは日本を代表する織物デザイナー。日本の伝統的な染物に最新技術を合わせた布づくりを行い、ニューヨーク近代美術館など世界各国の美術館に永久保存される作品を発表している。ミヤケさんは日本の伝統美術を独自の感性で切り取り、最先端のテクノロジーと融合させる技法を用い、骨董(こっとう)、工芸、現代アート、デザインなど幅広いジャンルで物事の本質を問う作品を発表している。
同展では約1000平方メートルに3人の「部屋」を開設。マルセルさんは化粧品、シャンデリア、椅子や映像作品など40点を展示。須藤さんはさまざまな布素材で作った色とりどりのこいのぼり80匹をつり下げ、下から眺められるようにクッションを用意した。ミヤケさんは「現代の大茶室」をテーマに光や音で楽しむ体験型の作品37点を並べた。
初日は9時30分から開会式を行った。新見隆館長が「大分が盛り上がる、遊びまくって遊び倒すクリエーティブなイベント。3つの驚きの部屋を楽しんでほしい」とあいさつ。出展者の3人を紹介した後、関係者によるテープカットで開幕した。
展示会場では新見館長や学芸員らが案内役を務め、それぞれの部屋や作品について紹介して回った。県立芸術文化短大でデザインを学ぶ小野珠子さん(2年)は「それぞれの部屋で日本の文化が感じられた。ミヤケさんの体験型作品は面白かったし、伝統と現代が融合した掛け軸は参考になった」と話した。
期間中の6月23日、29日、30日、7月7日、14日、21日には同館学芸員によるギャラリートークを行う。時間は14時から(29日のみ16時から)約1時間。参加無料。同展観覧券が必要。
開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=1,000円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。7月22日まで。