10月から始まる大分市のアートイベント「回遊劇場~ひらく・であう・めぐる~」の拠点となるカフェ(大分市府内町2)が完成し、9月24日に関係者向けのプレオープンイベントが開かれた。
「回遊Cafe♯204」は10月6日から51日間オープン。期間中は市職員らが常駐する。カフェ、インフォメーションセンター、イベントスペースの役割を併せ持ち、誰でも利用できる交流空間として展開する。
ふないアクアパーク北側にあるビル2階の空き店舗を利用。面積は約80平方メートル。大分市美術館館長の菅章さんがディレクターを務め、コンクリートの床や壁などの整備を建築家・松田周作さん、テーブルなどの空間構成を加藤亮さんと児玉順平さんの美術ユニット「Olectronica(オレクトロニカ)」が担当した。運営は障がい者の就労を支援する一般社団法人「あらやしき」代表理事の古山圭二さんが当たる。
24日のイベントには関係者ら45人が来場。菅さんが「インフォメーションセンター、ギャラリー、ワークショップ、コンサート、演劇、パフォーマンスイベントなど何にでも利用できる。使い倒す新しい空間にしてほしい」とあいさつ。松田さんらがコンセプトや今後の利用について説明した。
松田さんは「手を加えない景色」をテーマに床の凹凸整備や壁の塗装などを手掛け、シンプルで使い勝手の良い空間に仕上げた。解体して撤去した廃材は約1.5トンに及んだという。OlectronicaはL字形、弧形、直方体などに溶接した大小の鉄筋、日田杉を使ったさまざまな大きさの板を用意。テーブルとして多様に展開できるようにした。加藤さんは「空間が見えるように板と骨組みだけにした。それぞれ自由に動かせるので面白がって使ってほしい」と解説した。
古山さんは提供するドリンクやスイーツ、開催予定のイベントについてスライドを交えて紹介した。来場者にはハーブティーやジェラートなどを振る舞い、バイオリン、電子オルガン、サックスによるミニライブを披露。「いろいろな人が気軽に足を運べるにぎやかな空間にしたい」と期待を寄せた。
「回遊劇場~ひらく・であう・めぐる~」は、「第33回国民文化祭・おおいた2018」と「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」の大分市のリーディング事業。10月6日~11月25日の日程で、市街地の空間を劇場や美術館に見立て、イベント開催や壁画制作など、さまざまなアートを展開する。