「にっぽん芸術科学祭」が9月28日、大分県立美術館OPAM(大分市寿町2)の「日本モダンの精華 京都国立近代美術館コレクション」を皮切りに始まった。10月から始まる国民文化祭に合わせて約2カ月間、展覧会や公演など多彩なイベントを展開する。主催は大分県芸術文化スポーツ振興財団特別企画実行委員会。
「~過去、現在、そして未来へ~」を副題とする「にっぽん芸術科学祭」は、「第33回国民文化祭・おおいた2018」と「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」の期間中(10月6日~11月25日)に開催する複数のイベントの総称。
同美術館では、「日本モダンの精華」(9月28日~10月21日)、「国宝・日本の美をめぐる東京国立博物館名品展」(11月2日~11月25日)、「MEGASTAR・スーパープラネタリウム」(10月2日~11月25日)、「海と宙(そら)の未来展」(同)、「おおいた美術散歩OPAM&豊の国」(同)、「びじゅつってすげえ!2014-2018」(9月28日~11月25日)などを開催する。
iichiko総合文化センター(大分市高砂町2)では、ヴェルディ作曲オペラ「アイーダ」(10月28日)、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(10月31日・11月1日=完売)を開くほか、同センター内のおおいた国際交流プラザでも世界の大茶会(10月27日・28日)を開く。財団では割引などの特典などを受けられる「特別パス」を用意している。
第一弾の「日本モダンの精華」では、文化の中心として発展してきた京都にゆかりある作品を紹介。京都国立近代美術館収蔵の日本画、洋画、工芸58点を展示している。このうち日本画19点は大分市出身の福田平八郎の作品で、臼杵市の実業家・首藤定旧蔵のいわゆる「首藤コレクション」。今回は鮮やかな色合いと大胆な構図が特徴の「花菖蒲」、羽や足の細部まで表現した写実性の高い「双鶴」などの名作を集めた。
日本画では、3面構成で聖母マリアを描いた堂本印象の「訶梨帝母(かりていも)」、洋画では梅原龍三郎の「雲中天壇」や安井曽太郎の「桃」を展示。紅白のツバキと緑色の葉をおおらかに描いた北大路魯山人の「色絵金彩椿文鉢」などの工芸品も並ぶ。
同美術館の加藤康彦副館長は「福田作品をはじめ、伝統と革新が融合した名作ぞろい。ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=800円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。10月21日まで。