別府市にある九州大学病院別府病院(別府市鶴見)の広大な敷地と温泉施設を利用した「健康にぎわいイベント」~温研を探検~が10月27日に開かれる。
市の地域再生計画「生涯活躍のまち」形成事業の一環で、地域住民の活躍の場づくり、社会・世代間交流などを目的に実施する。「温研」として地域に根付く同病院を「健康にぎわい拠点」とし、ストレッチ講演会、院内と敷地内の散策、一般開放していない温泉施設の体験入浴、病院の歴史を紹介するパネル展示などを行う。昨年、地域住民と関係者が試験的に実施。一般公募で行うのは今回が初めて。
イベントは3部構成で、9時から理学療法士の生野有一さんが「芯からほぐす体感ストレッチ」を紹介する。9時40分からは院内で普段は入れない場所のほか、約10万平方メートルの敷地内に広がる森やウオーキングコース(965メートル)を散策。職員らが石垣原合戦跡、昭和天皇が植樹されたゲッケイジュなどの見どころを説明する。
11時からは希望者を対象にリハビリ用風呂と鉱泥湯、職員用や宿泊者用の風呂を開放する(応募多数の場合は抽選)。市観光協会の協力で、イベント用に製作した一日限定「別府八湯温泉道」オリジナル入湯印も用意する。
市福祉政策課によると、9月30日までに市民のほか、市外、東京、広島、福岡などから33人の参加があるという。「湯船の広さは3、4人が入れる程度なので順番に数分漬かる程度になりそう」。同課の江藤良子さんは「ウオーキングコースを気軽に利用できることを知らない人もまだ多い。病院についてもっと広く知ってもらいたいので、まずは気軽に参加してほしい」と呼び掛ける。
参加無料。ファクス(FAX 0977-22-2366)、メール、電話(TEL 0977-21-1003)などによる事前申し込みが必要。申し込み用紙は専用サイトからダウンロードできる。締め切りは10月15日(必着)。飲料やタオル持参。駐車場あり。
同病院は1931(昭和6)年に九州帝国大学温泉治療学研究所として開設。80年以上にわたりリウマチやがん、循環器疾患などへの医療提供と研究を行い、地域住民から「温研」として親しまれてきた。地域再生計画では「健康にぎわい拠点」の中核として位置付けられており、2017年11月に将来を見据えた「再開発に向けた基本構想」を策定。2023年の新病院開院を目指している。敷地についても市と連携して有効活用することで地域の活性化に貢献するとしている。