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大分市で料理教室「さいきッチン」スタート 佐伯グルメと作り手の魅力、セットで紹介

佐伯グルメと作り手の魅力を紹介する「さいきッチン」

佐伯グルメと作り手の魅力を紹介する「さいきッチン」

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 佐伯市の魅力あるフードと人を伝える料理教室「さいきッチン」が10月25日、大分市のガレリア竹町ワザワザビル2階レンタルキッチンeat(大分市中央町3)で始まった。初回は愛の里工房の高橋文子さん(77)が講師となり、「雪ん子寿司」の作り方を紹介した。

「何でも聞いてほしい」と話す高橋さん

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 主催は佐伯市観光協会(TEL 0972-23-1101)。2016年から2年続いた台風被害などで足が遠のいた大分市からの観光客に、佐伯の魅力を再アピールする目的で実施する。佐伯市の代表的なスローフードの調理方法と作り手をセットで紹介する内容で、毎月1回、2019年度いっぱいまで継続して行う。

 これまで同協会がイベントを開く際は主にJR大分駅前を会場としてきたが、今回の企画では同ビルに固定。道を挟んだ向かいの直売所スペースと連携して展開し、大分市の中心部から佐伯グルメを発信していく。

 初回は佐伯市本匠の名物を選んだ。大葉の上に酢飯、わさび、味付けした干しシイタケをのせ、薄切りダイコンで巻いた料理で、食感と風味やうま味を味わえる。県内外にファンも多く、これまでに第14回きのこ料理コンクール全国大会(2001年)で最優秀の林野庁長官賞を受賞するなどさまざまな表彰を受けている。

 教室には市内外から14人が参加した。高橋さんと、長女の智恵美さん(53)、次女の美和さん(51)が講師となり、「雪ん子寿司」誕生の背景やレシピを紹介し、作り方を手ほどきした。

 高橋さんは「煮込んだシイタケは一度凍らせる」「ダイコンは塩漬けにした後に三杯酢に漬け込んでいる」などとおいしさアップのコツを伝授。参加者は用意された材料を使い、アドバイスを受けながら10個のすしを作った。大分市の会社員・山岡千絵さん(40)は自分で巻いたすしを口にして「完成するまで5日と聞き、驚いた。見た目以上に手間と時間が掛かっている。おいしい理由が分かった」と満足そうに話していた。

 食事の途中、高橋さんが「夫を亡くして落ち込んでいた時、娘たちに背中を押されて始めた取り組み。大分市で料理教室を開けるのは夢のよう。自分が持っているものを伝えたいので何でも聞いてほしい」と話すと、会場から大きな拍手が送られた。

 同協会の前嶋了二理事は「『鮮度の良い魚』といった、素材を売りにした観光は一時的になってしまい、一度食べて満足すると次に訪れてもらうまでに時間が掛かる。佐伯をもっと好きになり、繰り返し足を運んでもらうには、高橋さんのような魅力ある人を知ってもらうことも重要。今後も自信の味覚と作り手を紹介するので利用してほしい」と呼び掛ける。

 第2回は11月22日。「slow cafe 茶蔵」の染矢弘子さんが塩こうじづくりと簡単料理を紹介する。以後、12月13日に「漁村女性グループめばる」桑原政子さんのごまだし活用法、2019年1月24日に「レストラン・コリーヌ」橋迫喜美代さんのジビエ料理を予定。各回定員15人、参加費は1,500円。先着順で電話、メール、ファクスで受け付ける。

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