日本歴代の名品を紹介する「国宝、日本の美をめぐる 東京国立博物館名品展」が11月2日、大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で始まった。
主催は大分県芸術文化スポーツ振興財団特別企画実行委員会。県内で開催中の国民文化祭と障害者芸術・文化祭の分野別事業。東京国立博物館収蔵の縄文時代から大正時代まで日本美術を代表する国宝3点、重要文化財13点を含む44点を展示する。
「縄文から平安時代」「室町時代」「安土桃山から江戸時代」と時代ごとに分けて展開。最初のエリアでは長野県で出土した縄文時代の土器、1881(明治14)年に滋賀県で発見された弥生時代の銅鐸(どうたく)、平安時代の国宝「地獄草紙」などが並ぶ。
雪舟の「四季花鳥図屏風(びょうぶ)」や東洲斎写楽の「市川鰕蔵(えびぞう)の竹村定之進」といった重要文化財のほか、近年人気の伊藤若冲による「松梅群鶏図屏風」などもそろえた。植物を写実的に表した円山応挙の「写生帖(しゃせいちょう) 乙帖」、大分ゆかりの田能村竹田の「風雨渡舟図」や木下逸雲の「耶馬渓図巻」なども展示している。
初日は9時30分から開会式が行われ、広瀬勝貞大分県知事が「これだけの美術品がそろうことは、そうはない。美術への新しい目が開かれる絶好の機会。『お見逃しなく』と言いたい」とあいさつ。東京国立博物館の銭谷真実館長が「収蔵品貸与促進事業の一環として自信の名品を持ってきた。たくさんの大分の人に見てほしい」と述べ、来賓を交えてテープカットを行った。
観覧料は一般=800円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。11月25日まで。期間中、学芸員が展示物を解説して回るギャラリートークを行う。参加無料(当日観覧券必要)。実施日は11月3日・10日・17日・24日(14時~15時)、11月23日(16時~17時)。