佐伯市観光協会は現在、マグロ1匹を運んで1000貫の寿司(すし)を握る「出張!寿司職人プレゼント!」が当たる「ツナの恩返し」キャンペーンを展開している。参加店で佐伯産クロマグロの3点セットを食べ、恩返しの理由を書き込んで応募する。感謝の思いが強く、熱いほど「当選チャンス」の幅が広がるという。
同協会が4月15日まで実施している「佐伯まぐろ 春の贅沢(ぜいたく)三貫まつり」の一環。祭りは昨年に続いて2回目の開催で、「黒潮の極 佐伯寿司海道世話人会」に加盟する6店が、西南水産(本社=鹿児島県)が豊後水道で育てた養殖マグロ「喜鮪(きつな)」を使った「トロ、赤身、軍艦巻き」のセットを手頃な800円~900円で提供している。
祭りの期間中は「ツナの恩返しキャンペーン」を2月28日まで(第1弾)と、3月1日~4月15日(第2弾)に分けて実施。セットを食べて応募すると抽選で各10人に寿司海道加盟13店で使える食事券(5,000円分)が当たる。
「出張!寿司職人―」は初の試み。「普段言えない感謝の気持ちを佐伯マグロに託して恩返しする」企画で、第1弾の目玉として実施する。約50キロ(約20万円相当)のマグロ1匹を希望の場所に運び、職人がその場でさばいて寿司を振る舞う。「出張」場所は自宅、職場、学校、結婚式場などどこでも可能。当選数は1件で応募締め切りは2月28日。
県によると、「喜鮪」の年間出荷数は約1万5000匹で、そのうち県内で消費されているのは約600匹(約4%)。同協会では「希少な絶品マグロの大トロや中落ちなどさまざまな部位を一度に味わえる数少ない機会」と強調する。
2月19日までの応募数は202件で、子どもから高齢者まで年齢層もさまざま。内容は「春はおばあさんとおじいさんの誕生日なので一緒に食べたい」(大分市、23歳、参加予定人数4人)、「登山仲間と山に登った後で一緒に食べたい」(日出町、65歳、30人)、「家族、社員、友人、旅館組合、青年会議所、商工会青年部と一緒に食べて地域おこしの参考にしたい」(宇佐市、39歳、50人)など。「お腹の赤ちゃんの誕生祝いとして、家族みんなで盛り上がって食べたい。予定日は2月―」(大分市、24歳、10人)といった「旬」な応募も。このほか「小学校の友達と先生と一緒にみんなで学校で食べたい」(京都府、9歳、39人)「寿司仲間と大分の地酒と一緒にパーティーをしたい」(大阪府、48歳、200人)など県外からの応募も多いという。
「抽選」とはしているが、同協会では応募一件一件全てに目を通し、応募理由や参加人数などを考慮する意向も示す。「感謝の気持ちをたくさんの人に伝えたいという思いやエピソードが強ければ強いほど心が動く。おいしいマグロを食べて応募用紙に熱い思いを書き込んでほしい」と呼び掛けている。