大分市の讃岐うどん専門店「めだか」(TEL 090-8297-4072)が2月22日、別府交通センター(別府市新港町)内に「うどん食堂美咲丸」として移転オープンした。小さな魚から一隻の舟へと変わるように店舗規模も拡大し、新天地で再出航した。
店を営むのは東隆二さん(53)。鹿児島県出身で、転勤族として2005年に大分へ移り住み、再び転勤話が出た際に大分を選んで会社を離れることを決めた。大阪のうどん店で働いた経験があり、うどんへの愛着も人一倍強かったことから、自身の店を構えることにした。讃岐うどんの本場・香川県で修業を積み、2016年8月に大分市の中心街に「めだか」を開いた。
本場の一杯を味わえる地域の店として浸透。2年をかけて順調にリピーターを増やしていったが、カウンターのみの7席でうどんを打つスペースもなかったため、「もっと多くの人に食べてもらいたい、店を成長させたい」と思い立ち、条件のそろった場所に移転することにした。
同センター1階にあった「港食堂美咲丸」を一新する形でオープン。カウンター、テーブル、座敷合わせて27席で、調理場に製麺スペースを確保するなど店の規模は4倍以上になった。
メニューは「ぶっかけ」(400円)、温かい「ごぼう天」(550円)、「すだち」「クロメ」(以上700円)、一番人気で牛肉のうま味を楽しめる「肉ぶっかけ」(650円)などが健在。新たに白身をメレンゲ風に仕立てた「月見」(550円)、「すっぽん」(1,200円)が加わった。「美咲丸」で人気だったカツカレーやカボス冷麺などのメニューはそのまま残した。
場所は変わったが、東さんのうどんに打ち込む姿勢は変わらない。小麦粉に、温度や湿度を考えて塩水を足し、繰り返し練って伸ばして熟成させて生地を鍛える。「うどんは喉越し。もちもち、つるつるとした『飲めるうどん』をイメージしている」。だしには北海道の羅臼産コンブ、瀬戸内産のイリコ、数種類の節を使う。「食べるうちにうま味がじわじわと蓄積して最後の一滴が一番おいしくなるような一杯を心掛けている」
再出発となった2月22日以降、大分市時代のリピーターが通ってくるほか、早くも別府のファンもできたという。店の拡大に合わせて気力も充実しているという東さん。「スタンダードな一杯だが、一度食べてもらえれば分かると思う。センター用の無料駐車場もあるので気軽に立ち寄ってほしい」と呼び掛ける。
営業時間は11時~16時。