世界のアーティストを撮り続けてきたカメラマン、鋤田(すきた)正義さん(80)の写真展が3月15日、アートプラザ(大分市荷揚町3)2階ホールで始まった。デビッド・ボウイや木村カエラさんのポートレートなど147点が訪れた人の目を引き付けている。
鋤田さんは1938(昭和13)年、福岡県直方市生まれ。日本写真専門学校卒業後、カメラマンとしてメンズファッションの撮影を皮切りに、広告、音楽、映画界で活躍。デビッド・ボウイやイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)ら名だたるアーティストのポートレートなどを手掛けてきた。写真展開催や写真集発行なども多数。80歳を機に福岡に戻り、活動の拠点を九州に移している。
今回は鋤田さんの作品を大分でも展示しようと、有志約50人が「OITA.R&R実行委員会」を組んで企画。「鋤田正義写真展 in 大分2019」として開催した。
会場ではCM用写真、アーティスト、大分の風景、スナップ写真などを展示。ボウイコーナーには日本公演(1973年)のステージ写真、ひげを生やした顔写真(1989年)などが並ぶ。日本の芸能人は木村カエラ、小泉今日子、沢田研二、広瀬すず、矢沢永吉ら。
大分ゆかりの作品は原尻の滝、湯布院の朝もや、金鱗湖の湖面など。今後のテーマの一つという「水」を切り口にしている。このほか、初めて買ってもらったカメラで母を写した1957年(昭和32)の作品や鉄輪温泉の湯煙を捉えた今年の作品も展示しており、60年以上に及ぶ鋤田さんの写真史を楽しむことができる。
初日の開会式で実行委員会の阿南勝啓会長が「鋤田さんの写真は人に勇気を与え、元気にする力がある。作品から未来への可能性を感じ取ってほしい」とあいさつ。鋤田さんは「私のように好きなことを徹底して続けていくのも一つの人生。そうした考え方や写真の面白さを、特に若い世代に感じてほしい」と呼び掛けた。
開場時間は10時~19時。入場料は一般1,000円、高校生以下は無料。4月21日まで。