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大分市の築45年ビルを「学びの交差点」に 再生プロジェクト、「学園祭」で発動

学園祭への参加を呼び掛ける齊藤さん

学園祭への参加を呼び掛ける齊藤さん

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 塾や住居として使われている大分市の築45年のビルを活用する「大分上野マナビルプロジェクト」が進んでいる。一部を地域住民らが集うイベントスペースに改修し、それぞれの「好き」や「得意」を共有し合う「学びの交差点」にする。6月2日に開く、大分の食や映画などを楽しむ「学園祭」でビルの存在をPRする。

「大分上野マナビル学園祭!」のチラシ(表)

 ビルは県立芸術文化短期大学、大分上野丘高にほど近い大分市上野丘東の高台に建つ。1974(昭和49)年建築の鉄筋コンクリート5階建てで、敷地面積約774平方メートル、延べ床面積約1818平方メートル。現オーナーの齊藤嘉宏さん(73)が1999(平成11)年に大規模な改修を手掛け、以来、1・2階を通信制の塾施設、3~5階を学生対象の賃貸物件として運営してきた。通称「ユニバビル」。2棟が左右に広がる造りと、外壁に記されたローマ数字の階数表記が特徴。齊藤さんによると、スタイリッシュな外観は建築雑誌の表紙を飾ったこともあるという。

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 「学問のマチ」の顔ともなっていたビルも、周囲に新たな賃貸物件が増えたこともあり、近年では入居者が減少。今年1月に今後の利用について齊藤さんから相談を受けた娘の美絵さん(37)が、古家のリノベーションなどを手掛ける「エンジョイワークス」(神奈川県鎌倉市)と「リノベヤ」(大分市生石2)の協力を得て「ビル再生」に踏み出した。

 コンセプトは「学ぶ人と教える人の交差点マナビル」。2階の塾機能はそのままに、1階にカフェやイベントスペースを開設。3・4階はルームシェアや室内のDIYを可能とする賃貸物件やアトリエ、5階と屋上をコワーキングスペースや共有ラウンジとする案が挙がっている。2020年1月からの運営を見込んでおり、設計と施工に並行して「学園祭」「DIY合宿」などさまざまなイベントを行う。ビル活用に参加と投資ができるクラウドファンディングの導入も予定している。

 美絵さんは「地域に住むおじいさやおばあさん、知識や経験を伝えたい大人。教える人が学び、学ぶ人が教えるといった『学び』をシェアする形にしたい。絵を描いている、魚をさばけるといったそれぞれの『好き』『得意』を持ち寄ってほしい。学生や生徒の視野を広げる効果にも期待したい」と話す。

 学園祭はプロジェクトの周知などを目的に開催。現状のビルを一般開放し、大分にちなんだグルメの販売、映画上映会、歴史講話などを行う。ビル内部の見学もできる。

 1階教室では臼杵の有機野菜作りをテーマにした映画「100年ごはん」の上映会を実施。「ほんまもん農産物」を使った食事、大林千茱萸(ちぐみ)監督とのトークセッションを交えた3部構成で2回行う。12時の回は「IDEE食堂」(別府市)のランチ(3,000円、学割1,500円)、16時の回は「ポルト蔵」(臼杵市)の軽食(2,500円、同1,200円)が付く。事前申し込み制で定員は各35人。15時からは円寿寺住職が「上野の歴史と歩み」と題して大友宗麟などについて語る(無料)。

 1階アトリウムや中庭では「フォト&ムービーコタロフワークス」(東京都稲城市)による撮影や写真の相談会(投げ銭式、1円~)を開催。「金田油店」(東京都台東区)のオイル、「リモージュ農園」(由布市)の「白蜜トマト」、「えび蔵」(大分市中央町3)の姫島産車エビ焼きのほか、スイーツ、コーヒー、ビールなどの販売もある。

 3階のアトリエでは「リノベヤ」がフォトフレームDIY教室(1,000円、学割500円)を開く。このほかビル内を巡る宝探しゲームも用意する。

 美絵さん自身もユニバビルで授業を受け、上野丘高から慶応大に進学した。学生時代からラジオのパーソナリティーとして活躍し、現在は主婦業の傍らでフードマエストロとして「食」など広める活動を手掛けている。新しいチャレンジについて「ふるさとを愛し、今を大切にして、未来を創ろうという思いを育みたい」とし、「まずは学園祭でこのビルとプロジェクトについて知ってほしい。いろいろな人が出入りする交差点でさまざまな気付きを得てもらえたら」と話している。

 「学園祭」の開場時間は11時~18時。入場無料。入退場自由。

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