大分市の居酒屋「味蔵吉野」(大分市中央町3、TEL 097-532-5718)が創業40周年を記念して、6月の1カ月、4の倍数の日に名物の揚げ物「しそ巻き」(通常価格432円)を40円で提供する。シソの葉以外の材料は企業秘密ながら客の9割が注文するという「超」人気メニュー。6月4日から開始する。
店主の油布晴義さん(76)は大分市の吉野地区出身。料理人として大阪などで腕を磨き、岡山で7年間、自分の店を構えた後に帰郷。1979(昭和54)年5月28日に現在の店を開業した。鮮魚や地魚を中心とした幅広いメニューと大分の日本酒(378円~)や厳選した焼酎(324円~)などを提供し、次男で2代目の達男さん(45)と共にのれんを守っている。
人気メニューは大分名物の「りゅうきゅう」(648円)、ホルモン焼き(756円)、山芋チーズ鉄板焼き(648円)、豊後牛のすき鍋(1944円)など。中でも「しそ巻き」はほとんどの客が頼むという。
「しそ巻き」は、晴義さんが「葉の香りが好きで、お客さんにも安く食べてほしい」と岡山時代に考えたオリジナル料理。「企業秘密」のタネをシソの葉で巻いてからりと揚げ、和がらしとしょうゆを添えて提供する。1人前5本で「揚げたてのサクサク感と、シソの風味、もっちりした食感などが好評」と達男さん。材料については「見た目で分かるのはシソの葉だけ。何を巻いて揚げているかは教えられない」と言う。
周年に合わせて還元イベントを行うのは初めてで、達男さんは「お客さんとの話で盛り上がり、どうせならと名物と『4』にちなんだ催しにしようと思った」と話す。実施日は6月の4日、8日、12日、20日、24日、28日(16日は定休日)の6回。消費税込みの「40円」で会計時に食べた分だけ足すことにした。「売り切れないように用意するが、いずれの日も売り切れ次第、終了」と笑う。
カウンターと座敷という落ち着いた造りは開店当初から変わらない。40年を迎えるに当たり晴義さんは「生まれ育った大分で店を開業できた時の喜びが、今でも一番の思い出」と振り返る。達男さんは「カウンター越しにいろいろなお客さんと出会うことができた。お客さん同士の輪も広がっていった。たくさんのつながりをつくってくれた店に感謝したい」とし、「しそ巻きと一緒にそうした居酒屋の空気感も一緒に味わってもらえれば」と話している。
営業時間は17時~24時。日曜定休(予約応相談)。