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大分市の築45年ビルで「学び」の学園祭 再活用へ向け地域住民らに開放

プロジェクトの案などを紹介した説明会

プロジェクトの案などを紹介した説明会

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 大分市の築45年のユニバビル(大分市上野丘東5)で6月2日、「マナビル学園祭」が開かれた。老朽化したビルの再活用を目指す「大分上野マナビルプロジェクト」の一環。来場者は大分にちなんだ映画や歴史講話、グルメなどを楽しみながらビルの魅力に触れた。

ローマ数字の階数表記

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 通信制の塾施設や賃貸物件として使われている1974(昭和49)年建築の5階建てビルを、地域住民やビル再生に興味を持つ市民らと共同して「学び」を軸とした施設に再生する試み。オーナーの齊藤嘉宏さん(73)の次女の美絵さん(37)が、古家のリノベーションなどを手掛ける「エンジョイワークス」(神奈川県鎌倉市)と「リノベヤ」(大分市生石2)の協力を得て実施する。

 学園祭はビルの内部を見てもらい、存在と魅力をアピールする目的で初開催。プロジェクト説明のほか、臼杵の有機野菜作りをテーマにした映画「100年ごはん」の上映、円寿寺住職による「上野の歴史と歩み」の講演、DIYワークショップなどを行った。オイル、フルーツトマト、姫島産車エビの串焼き、スイーツ、コーヒー、ビールなども販売した。

 約30人が参加した説明会では、市民や近隣の高校生や学生が集えるカフェやイベントスペースの開設、シェアできるアトリエや室内のDIYを可能とする賃貸物件の設置といった案が紹介され、「おじいさん、おばあさんから町の歴史を教わった芸短(大分県立芸術文化短期大)の学生が、代わりに絵の描き方を教えるといった学びの循環ができる場所にしたい」といった説明もあった。

 来場者は、階段状の構造や部屋の造り、外壁のローマ数字による階数表記なども見学。近隣に住む40代の女性は「初めて中に入ったが、造りや雰囲気が魅力的で驚いた」とうなずきながら見て回り、「学びについても自分もいろいろ吸収したいので、何らかの形で参加してみたい」と話していた。

 今後は設計と工事に並行してビル活用に参加と投資ができるクラウドファンディングを導入し、2020年1月からの運営開始を目指すという。フェイスブックページなどを通して広くアイデアも募る。美絵さんは「ロゴコンペ、DIYイベント、オイルセミナーなどさまざまなイベントも用意している。これからもいろいろな人に関わってもらえるように工夫していきたい」と意気込んでいる。

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