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大分の湯布院にカフェ「森の交茶店」 店主は元SE、師匠ははとこの女性焙煎士

「森の交茶店」をオープンする加藤さん(左)と「はとこ」で師匠の工藤さん

「森の交茶店」をオープンする加藤さん(左)と「はとこ」で師匠の工藤さん

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 由布市の森の中に6月26日、「CAFE 森の交茶店」(由布市湯布院町川西、TEL 080-5535-2205)がオープンする。店主は元システムエンジニア(SE)の加藤万明(かずあき)さん(55)。「はとこ」で師匠の焙煎(ばいせん)士・工藤光代さん(45)の力を借り、新しい扉を開く。

緑の中でコーヒーを楽しめるオープンカフェ

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 1998(平成10)年創業のコーヒー専門店「カフェ・ボンボヤージュ!」(湯布院町川上)が支店として開く。同店は自家焙煎の正統派コーヒーを味わえる店として根強い人気を誇り、現在は先代から技術を受け継いだ工藤さんが店を切り盛りしている。

 加藤さんは由布市出身。地元IT企業のSEとして福岡や東京で働き、2017(平成29)年に大分へ戻ってきた。そのときに工藤さんのコーヒーにほれ込み、退職して弟子入りする形で焙煎士の道に進むことを決めたという。「新しい一歩を踏み出す年齢としてもギリギリだと思った」と振り返り、「店に通い始めてから親がいとこ同士と分かって驚いた。不思議なつながりも感じた」と笑顔で話す。

 場所はツリーハウス、アスレチック広場、体験宿泊施設、飲食店などを抱える「つみきの森」内。ボンボヤージュがドイツ製の大型焙煎機を置く小屋の周囲約3000平方メートルを敷地とする。

 加藤さんは、焙煎小屋付近に建つ3棟のログハウスをDIYでリフォーム。メイン棟を工房とテラスのあるオープンカフェとしたほか、1棟を真空管アンプと大型スピーカーなどを備えレコードやCD音楽を楽しめる「森のリスニングルーム」に造り変えた。もう1棟は元からあったいろりを残し、ゆっくり飲食を楽しめる空間とした。加藤さんは「コーヒー片手に本や音楽を楽しめるし、自然の中を散策したり、木で作ったベンチに寝っ転がったりすることもできる。そうした時間や空気感を味わってほしい」と話す。

 コーヒーメニューは、浅いり、深いりと深いりベースのアイスコーヒーの3種類。工藤さんが焙煎した豆を注文を受けてからひき、一杯ずつ入れ、移動してもこぼれにくいよう大型のカップに注いで提供する。このほかノンアルコール飲料、オレンジジュースなどを用意。軽食は家庭的なミニカレーと来店者が自分の手で焼くホットサンド。価格は全品500円。

 焙煎については「経験あるのみ」と工藤さん。「同じ味わいの一杯になるように、温度、湿度などさまざまな要因を総合していっていく。知識では補えない部分もある」と説明する。念願のオープンを前に加藤さんは「まだまだ修業中。時間をかけてたくさんの人に愛される憩いの場にしていきたい」と意気込む。

 7月13日には加藤さんが東京時代に交流を深めたミュージシャンを招き、オープニングイベントを開く。15時から大分市出身の人見仁子さんの音楽ユニット「歌う応援隊ヒトミリリィ」、17時からポップスチェリストの滝田恵美さん、19時からアコースティックギター奏者の星文昭さんがライブを開く。入場無料で投げ銭+ワンドリンク制。ライブに先立ち11時から大分市や由布市の人気パン店を招いたパンフェスも実施する。加藤さんは「オープンに合わせた実験的なイベント。子ども連れで朝からずっと楽しめるので気軽に足を運んでほしい」と呼び掛けている。

 営業時間は11時~17時。火曜・水曜定休(オープン初日を除く)。

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