日出町子ども会育成会連絡協議会(荒金淳会長)の夏休み子ども教室「尾畠春夫さんといっしょに防災体験」が8月4日、日出町の中央公民館で開かれた。午前と午後の2回に合わせて親子約100人が参加。同町の「スーパーボランティア」尾畠さん(79)から災害時の対応や心構えを学んだ。
同教室は小学生を対象に毎夏、開かれており、今年は7月26日から8月9日まで「陶芸」「しょうゆ工場見学」「料理」など9つの教室を用意している。「防災体験」は初めての企画で、2018(平成30)年8月の山口県での男児救出で一躍全国区となった尾畠さんが、体験談を交えて土のう作りやロープの使い方などを指導した。
午後の回には子どもと大人約30人ずつが参加。スコップの種類や使い方の説明を受けた後、2班に分かれて土を袋に入れる作業を行った。尾畠さんは、完成した土のうを積む際に「少しずつずらして斜面にすることが大事」とコツを伝授。「袋と袋の間に隙間ができたときは上から踏めば良い」とアドバイスした。
2015(平成27)年9月の豪雨で茨城県常総市などが水没した災害についても触れ、「片付けに手伝いに行くと、たくさんの家の1階部分が水に漬かっていて住めなくなっていた。切なくて声が出なかった」と浸水対策の重要性を説いた。
「わが町のヒーロー」を前に子どもたちは次々と手を挙げて質問。「何人家族ですか?」と聞かれると尾畠さんは「今、独身です。一人暮らし」と笑顔で返答。「なぜ声が大きいのか」との問いには「聞き直されないようにするため。声を出して相手の目を見ればきちんと伝わる」と声を張り上げて答え、「山口ではなぜ大分から来たのかと聞かれたが、命よりも重いものはないと答えていた」と話し、命の尊さも強調した。