大規模リニューアルを進めていたトキハ別府店(別府市北浜2)が9月5日、プレオープンした。足湯や大衆演劇場を併設するなど「体験型」を追求した「新しい百貨店」。新店舗22店を加えた46店で再スタートを切る。
「リアル店舗の強みの追求」「地場企業としての役割」を柱に、従来の「モノ消費」中心のスタイルから「体験」をテーマとした「コト消費」を打ち出し、地上8階、地下1階のうち、6階、8階、屋上以外をリニューアルした。ニックネームは「ゆのまち百貨店」。総事業費は約15億円。
1階正面玄関の旧大屋根下は定期イベントなどを行う「ブルーテラス」として整備した。入口左手に大分県内の特産品や工芸品などを集めたセレクトショップ「おんせん市場」を展開。21時までの営業で、同時にオープンしたドラッグストア、24時間営業のコンビニエンスストアとともに観光客らの利便性を高める工夫をした。
2階に服飾、雑貨など7店舗が開業。4階にオープンした子ども向け施設「別府こどもあそびめぐり」では、別府観光の「地獄めぐり」に見立てたボールプール遊び、「地獄蒸し」をモチーフとしたままごと、ミニチュアを使った動物ジオラマ遊びなどを体験できる。
7階には大衆演劇を楽しめる「ぶらり劇場別府座」が入った。6月30日に先行オープンしており、販売促進課によると「リニューアル中の割には昼の回が満席になるなど好評」という。
地下1階には地元のグルメを集めたフードホール「湯けむり横丁」を開設。古くから残る路地裏文化をイメージした造りで、冷麺専門店の「六盛」、とり天の「東洋軒」など6店が軒を連ね、連日21時まで営業する。ブルーテラスの階下には「百貨店内では全国でも例がない」という足湯を設置。同施設内の泉源を生かしており、誰でも無料で利用できる(21時まで)。
9月5日はブルーテラスでオープニングセレモニーがあった。トキハの池辺克城社長が「良い街には良い百貨店があると言われるが、地場企業として、ふるさとの店としてその使命を果たし、国際観光都市・別府の発展の一翼を担っていきたい」とあいさつ。来賓の長野恭紘市長らとテープカットした。
9月6日のグランドオープンは10時。営業時間は店舗によって異なる。