東京の明治大学の学生が、自分たちの目で見た「別府」をガイドブックにする取り組みを始めた。地域産業を研究する24人が2月7日から9日まで実地調査を重ね、学生目線で新しい「泉都」の魅力を探った。
別府入りしたのは同大政治経済学部・奥山雅之准教授ゼミナールの男女各12人。別府観光の研究とガイドブックの作製は春合宿の題材で、「別府温泉たまご対決」「別府を代表する柑橘(かんきつ)『ざぼん』の楽しみ方」「油屋熊八と別府観光・ヨソモノとまちづくりの関係」といった10個の独自のテーマを決め、班ごとに分かれて鍵となる場所、人、企業、飲食店などを訪ね、情報を収集した。
昨年10月に東京であった、別府観光をテーマとした校友会講座をきっかけにつながりが深まった。同大卒業生の別府市秘書広報課の田邉悟さん、市の外郭団体「別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK(ビービズ・リンク)」の後藤俊介さん、地元企業の南光物産専務の原口智成さんがパネリストとして参加したことで交流の輪が広がったという。
7日は別府市役所で一行を迎え入れ、秘書広報課の竹元徹課長、田辺さん、後藤さんが世話役として対応。学生のほとんどが初の大分入りで「大分のことはほとんど知らなかった」との声を吸い上げたほか、「学生旅行の選択肢に温泉は『有り』」と言った意見に耳を傾けた。田辺さんは、別府への観光客のうち、20代から40代の割合が少ないことなどを紹介し「学生ならではの視線で別府の良いところを探り、首都圏の同世代の若者に広めてほしい」と訴えた。
今後は各班単位で取材先などとのやり取りを続け、秋までには成果物としてまとめる予定。奥山准教授は「一般的なものではなく、別府の人、もの、食などにスポットを当て、ストーリー仕立てにした『読んでもらえる』一冊を作りたい」と意気込んでいる。