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「俺たちの居酒屋を救え」 大分市で常連客が「先払いチケット」で応援

「先払い応援チケット」を手にする重光さん(右)と正輝さん

「先払い応援チケット」を手にする重光さん(右)と正輝さん

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 コロナ禍で客足が遠のいた大分市の居酒屋「倖(しあわ)せな色男」(大分市中鶴崎2、TEL 0975-23-3402)を救おうと、店の常連客が専用の「先払い応援チケット」を製作した。5,500円相当を5,000円で販売する「お得チケット」でテークアウトやウイルスの感染拡大収束後の利用などさまざまなシーンで店を「応援」できる。

「倖せな色男」のオードブル

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 店は1998(平成10)年にオープン。竹村重光さん(61)と妻の栄子さん(59)、息子の正輝さん(32)の3人で営んでいる。昭和レトロをイメージさせる店づくりと竹村家族の明るい接客が特徴で地域の人気店としてにぎわってきたが、3月以降は新型コロナウイルスの影響で売り上げを大幅に減らしていた。

 こうした窮状を受け、大分市で人材派遣会社を経営する田村将治さん(41)らが立ち上がった。「20年前から通うファンとして何ができるか」を考えていたところ、秋田県で行われている同様の取り組みを知り、竹村さんの許可を得て事を進めた。「結婚前に初デートをした思い出深い店でもある。これまでの感謝の気持ちを込めた」と田村さん。

 チケットは大分市の印刷会社「高山活版社」の協力を得て製作。「倖せな色男応援団」の名で発行した。1枚1,100円×5枚つづりで使用期限はなくいつでも使えるが、「店を5回応援するために」一度の利用で1枚しか使えない「ルール」を設けた。

 4月21日には田村さんが店を訪れ、チケットを購入。オードブル(3,000円)の支払時に早速利用した。「今は何が正解なのか分からないが、自分たちのできる最大限の提案」と田村さん。心強い応援団の登場に竹村さんは「感謝しかない」と声を詰まらせた。

 店には苦境を聞き付けたアルバイト経験者がテークアウト利用などで次々と顔を見せるという。「こうした状況の中で駆け付けてくれるので胸が熱くなる」と栄子さん。先の見えない不安にも竹村さんは「多くの人に支えてもらっている事を実感した。幸せです」。

 チケットは店内で販売中。営業時間は17時~23時59分。日曜定休。

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