大分県デザイン協会(越田剛史会長)は5月1日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立つ大分市内の飲食店を支えるため、インターネットで資金を集めるクラウドファンディング(CF)を始めた。「飲食店ファースト」を軸に独自の「募金付き食事券」などを用意し、「今応援して、未来で乾杯しよう」と呼び掛けている。
プロジェクト名は「おおいた喰(く)らうどファンディング」。5月31日までの実施で目標金額は300万円としている。集めた資金のうち経費などの手数料を差し引いた全額を参加店に渡し、支援者にはリターン(返礼品)として参加店で利用できる食事券を贈る。参加数は開始時64店で、5月22日まで随時、募集している。
支援の種類は「通常食事券」「募金付き食事券」「募金」の3つ。食事券は1口3,000円~5万円の5種類で、申し込み時に参加店の中から利用店舗を指定する。「通常」は支援額と同額分の食事券を受け取れる。「募金付き」は、1口で募金ができ、返礼品の食事券も受け取れる。3,000円の場合は募金1,000円と食事券2,000円、5,000円は2,000円と3,000円―などとなる。「募金」は1万円~30万円で、集めた支援金は参加店に分配する。7月中旬に参加店に支援金を振り込み、支援者に食事券を郵送する。利用期間は7月31日から来年3月31日。
同協会によると、大分市内の飲食店の売り上げはおしなべて7~9割減という状況で、関連するさまざまな業界にも多大な影響が及んでいるという。今回のCFは「依頼主の課題に応えるクリエーターやデザイナーの目線で支援策を考えた」としており、CF事務局(TEL 070-7794-0997)の今長学さん(37)は「食事券に10%を上乗せする案もあったが、店側の将来の負担になるケースを想定して取りやめた。募金付き食事券の発想も飲食店第一のスタンスから」と話す。
半年前、ラグビーワールドカップ日本開催大分大会で連日のように街中が沸いた。今長さんは「あのときのようにワンチームの精神でみんなで大分の飲食店を支えたい。近い未来に集まって乾杯ができれば」と話している。
プロジェクトはインターネット以外でも展開予定。5月7日からは、大分まちなか倶楽部(大分市府内町2)でも食事券販売と募金受け付けを開始する。支援金はCFに反映する。