別府市を舞台とする個展形式の芸術祭「梅田哲也 イン 別府」が12月12日から来年3月14日まで市内各所で開かれる。複数のエリアに作品を点在させる予定で、オンラインで鑑賞できる作品も用意する。
「in BEPPU」を手掛ける梅田さん(撮影=Bea Borgers)
「in BEPPU」は別府市を活動拠点とするアートNPO「混浴温泉世界実行委員会」(別府市野口元町2、TEL 0977-22-3560)の主催。世界で活躍するアーティストを迎え、別府の地域性を生かしたアートプロジェクトを展開するイベントで5年目。これまでアニッシュ・カプーアさん(2018年)、関口光太郎さん(2019年)らが市中心部で大規模な個展を開いている。
梅田さんは大阪在住。同実行委によると、展示空間や周囲の光や音などを使ったインスタレーション(空間芸術)などを手掛けており、国際的に高く評価されているという。リンゴ農園にあった石壁の倉庫を水槽に見立て水の流れを見せる「りんご」(札幌市、2017年)、「水琴窟」の原理を使った屋外作品「A’tol / Atoll / Atall」(台湾、2018年)など、その土地の特性を生かした作品を数多く制作している。
今回は、別府市郊外などに設置した作品を地図などを頼りに巡る回遊型の展覧会で、一部の作品はオンライン上でも鑑賞できるようにする。総合プロデューサーの山出淳也さん(49)は「今だからこそできるアートの形に挑戦したい。期間中は気に入った作品の前でゆっくりと楽しんでもらえれば」と話している。