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別府市の共同温泉「末広温泉」営業再開 地域交流の場、有志が復活

末広温泉組合の勝さん、安部さん、又吉さん(右から)

末広温泉組合の勝さん、安部さん、又吉さん(右から)

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 昨年3月から休業していた別府市の共同温泉「末広温泉」(別府市末広町4)が4月1日、営業を再開した。地域の有志が新しい温泉組合を立ち上げ、住民らの交流の場を復活させた。

末広温泉の「別府八湯温泉道」用の新スタンプ

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 共同温泉は地域住民が組合などを作り管理する「町の浴場」で、別府市内におよそ80カ所以上ある。

 末広温泉は末広町にあり、同町や隣接する立田町の住人ら約40人が日常利用してきた。泉質は単純泉で源泉の温度は60度以上(調整後43度前後)。浴場にある鶴見岳(男湯)と由布岳(女湯)の壁画が特徴。管理人の体調不良で2020年3月1日から休業していた。

 休業後については自治会の預かりとなっていたが利用者の「通い慣れた湯に入りたい」といった要望に応え、また、高齢化や生活形態の変化で減少しつつある共同温泉を守るといった目的で、再開に向けて始動。昨年10月に準備会を立ち上げ、利用人数や経費などを確認してきた。

 末広温泉組合は3月7日に6人で発足。再開に合わせて脱衣場の床や浴槽のタイルなどを補修し、温泉ラリーを楽しむ「別府八湯温泉道」用のスタンプも一新した。

 組合長の勝正光さん(39)は大阪府出身の画家。同町にある芸術家専用の「清島アパート」に移り住み、12年にわたって創作活動を続けてきた。今回は「受け入れてくれた町への恩返し」として新しい旗振り役を買って出た。「利用者の人は、会うたびに感謝してくれる。手探り状態のところもあるが全うしたい」と意気込む。

 末広町で生まれ育った副組合長の安部昌司さん(65)は「末広温泉は利用者が集う大切な交流場」と話す。「休業期間がコロナ禍とも重なり、顔を合わせる場所が無くなって心配していた。戻せて良かった」と笑顔を見せる。

 沖縄県出身の又吉洋(ひなた)さん(23)は転勤で訪れた別府を気に入り移住。管理人として運営をサポートする。「目の前で『元気やった?』『どこの湯行っちょった?』と1年ぶりの再開を喜び合うシーンが何度も繰り返された。途切れていた交流を復活させることができて良かった」と喜ぶ。

 再開の報で知名度が上がり、温泉ファンや観光客らが平日で6、7人、土日は20人ほどが訪れるようになったという。勝さんは「地域の風呂に外部の人も入れるのが共同温泉の良いところ。別府ならではの魅力を体感してほしい」とうれしそうに話す。

 営業時間は7時~11時、14~22時。毎月15日休業。入湯料200円、回数券(6回分)1,000円、組合費(月利用)2,000円。学生以下半額、未就学児無料。

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