大分市にある霊山の青年の家跡地で12月31日、公募した今年の漢字一字を全て揮毫(きごう)する催しがあった。空き地に100枚以上の白紙を並べ、大分市の書家・三重野文緒さんが力強い筆さばきで「みんなの一年」を書き上げた。
イベント名は「今年の漢字ぜーんぶ書きます」。阿南企画(大分市)の阿南智之さんが「みんなの2021年を共有し合おう」と初めて企画した。SNSなどを通して事前に募集したところ、当日までに103字(重複含む)が集まった。
霊山(りょうぜん)寺からの登山道途中にある空き地を活用。はかま姿の三重野さんは、縦横に敷き詰めた1メートル四方の白紙に次々と筆を走らせた。イベントの様子は13時から阿南さんがフェイスブックでライブ配信。ドローンによる空撮も行った。
三重野さんは「心」「愛」「病」など重複した文字も省略することなく一字ずつ丁寧に書き、リアルタイムで募ったリクエスト含め、3時間をかけて全109文字を書き上げた。「結婚を祝う『福』は幸せな気分で筆を握った。『褒』はあまり書いたことがなかったが、コロナ禍を耐えたみんなに送る言葉として応募があった。とても素敵な一文字で好きになった」と笑顔で話した。
1月1日13時からは、霊山寺(大分市岡川、TEL 097-541-0162)で、三重野さんが新しい年を漢字一字で表す「新春書き初め奉納揮毫(きごう)」がある。当日参加可能。観覧無料。