音楽、美術、舞台芸術などの分野で活躍する世界的アーティスト・梅田哲也さんの作品展「余り」が、別府市にある葵荘(西野口町6)で開かれている。古民家を活用したインスタレーションで、重力や電気などを使ったさまざまな仕掛けが訪れた人の目を引いている。
混浴温泉世界実行委員会(別府市野口元町2、TEL 0977-22-3560)の主催。昨年開催した個展形式の芸術祭「梅田哲也イン別府『0滞(ぜろたい)』」の一環として開いている。
梅田さんが作品制作時に滞在した葵荘の敷地内にある、木造別棟を利用。和室や茶室、建物で使っている配線、元々の雨漏り部分など、空間が備えている「魅力」と、古道具などを組み合わせた十数種の作品を展開している。
2つのバケツをひもでつなぎ、片方に入った水をゆっくりと抜くことで上下運動させる雨漏りをイメージした仕掛け、扇風機の羽根の回転に連動して音と光を発するレコードプレーヤーなど、「最後となり得る空間を驚かす」独自の世界観が広がる。
「作品一つ一つに役割があり、それぞれがつながり、不安定ながら支え合っている」と梅田さん。「仕組みはシンプルだが、想像力を使って見立てを楽しんでほしい」と呼び掛ける。
開場時間は15時~17時30分。鑑賞無料。火曜定休。2月13日まで。
「0滞」も「2021-2022」版を再公開中。俳優の森山未来さんや満島ひかりさんが出演する映画(別府ブルーバード会館フレックスホールで上映)と、専用の受信端末(ラジオ)を手に別府市内のロケ地を回遊する体験型アートで、映画の英語版を用意したほか、作品内容も更新している。申し込みは公式サイトから。