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大分県立美術館で「革新と前衛展」 「昭和」に切り込んだ日本画や斬新アートずらり

4種の蛍光管で製作した吉村の「ネオン雲」

4種の蛍光管で製作した吉村の「ネオン雲」

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 大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で現在、「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕120年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」が開かれている。昭和時代に新風を吹き込んだ日本画やアート作品が訪れた人の目を引いている。

「閑庭」など6点の池田作を展示

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 同館収蔵の美術品を中心に紹介する、本年度4回目のコレクション展。「革新と前衛」をテーマに、既成の概念や形式にとらわれずに生み出された69作品を「池田」「日本画」「竹工芸」「吉村」の4部構成で展開する。

 池田栄廣(えいこう・1901-1992)は広島県呉市生まれ。別府でのタクシー運転業を経て、日本画家に転身した。人物や動植物を題材とするユニークな視点と分かりやすい構図と色彩が特徴で、昭和時代のモダンスタイルを確立。因習や伝統にとらわれがちだった日本画分野に新風を吹き込んだ。会場には「猟犬」「閑庭」など6点を並べている。

 吉村益信(ますのぶ・1932-2011)は大分市生まれ。1960年代を中心に絵画、彫刻、インスタレーションなど多様な創作活動を行った。1960(昭和35)年の「ネオダダ」活動後、拠点を米国ニューヨークに移して創作を継続。帰国後は最新工業技術を取り入れたライトアート制作などに取り組んだ。1970(昭和45)年の大阪万博では複数のパビリオン造形に携わった。

 会場には、青、緑、赤、黄の蛍光管で作る「Neon Cloud-Neon ネオン雲」、点滅灯を付けたステンレスをメビウスの輪のように表現した「反物質・ライト・オン・メビウス」など15点のほか、写真や設計図などの資料を多数展示。大阪万博で手掛けた「せんい館」の内装や「お祭り広場」のイベント企画などはディスプレーで紹介している。

 このほか、県ゆかりの日本画家の田口壮、髙山辰雄らが伝統の革新に挑んだ作品や、網代編(あじろあみ)の竹工芸も併せて展示している。

 期間中、1月9日・16日、2月6日の14時から学芸員によるギャラリートークがある。参加無料で予約不要。同展観覧券が必要。

 開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は一般=300円、大学生・高校生=200円、中学生以下無料。前期は来年1月18日まで、後期は1月20日~2月14日。

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