大分県は10月29日、総合商社の双日(東京都千代田区)と加工・業務用タマネギの産地拡大に関する協定を結んだ。
同社は2022年から、国産化のニーズが高く生産者にとって高収益野菜となりうるタマネギの生産に着手。大分県では同年、国東市の農業生産法人「らいむ工房」と協働で栽培を開始。2023年に「双日大分法人」を設立し、生産、販売、作業受託の事業を始めた。
2023年の時点で、国東市での栽培面積は10ヘクタールで、生産量は70トン。2032年までに豊後大野市、宇佐市にも拡大し、100ヘクタール、5000トンの生産を見込んでいる。
このほか協定では「県内の食品メーカーや畜産農家と連携し、残さや堆肥などを活用した循環型農業を実現する」「AIによる選果などを含むスマート農業技術や新品種を導入し、省力化を含む新しい営農体系を構築する」「食の安全など農業生産の工程を管理するGAP認証取得を推進し、タマネギをはじめとする販路拡大および生産量向上を図る」の3項目についても連携して進めていくとする。
10月29日は藤本昌義会長CEOらが県庁を訪れ、佐藤樹一郎知事と共に協定書に署名。佐藤知事は「100ヘクタールを目指した産地形成、循環型農業の推進、障害者を含めた雇用の拡大など、地域経済に大きな効果をもたらしてくれると期待している」と述べた。