大分市の春日神社(大分市勢家町4、TEL 097-532-5638)で12月29日、本殿に大しめ縄を取り付ける作業があった。
正月三が日で約30万人の参拝者が訪れる同神社恒例の年末行事。大しめ縄は、同神社のある勢家町の氏子による「しめ縄会」が10月末から境内の一角で約2ヵ月かけて作る。毎年23日の天長祭ごろにその年のものを取り外し、氏子の手が空きやすい29日に新調する習わしとなっている。今年は長さ7メートルで最大直径40センチメートル、重さ約180キログラムのしめ縄を作り、人の手だけで取り付けた。
しめ縄に使うのは長くて強いもち米のわらで、毎年、3軒の農家に依頼して用意している。時間をかけて乾燥させたものをよって作るが、「今年は2度の台風の影響で集めるのが大変だった」という。同会をまとめる村上正信さん(88)は「乾燥させたわらが変色してしまい駄目になったものが多くて心配していた。最終的に昨年よりも青みがかっていていい出来になった」と話す。
この日は氏子のほか同神社の関係者ら約20人が集まり9時45分から作業を開始。大きく太いしめ縄に回したロープを「せーの」の掛け声とともに本殿の梁越しに引き上げ、左右のバランスやねじれなどを確認しながら約1時間半かけて取り付けた。
新年に向けた作業を見守った宮司の宮本隆之さん(58)は「大しめ縄は生き物と同じで取り付けるのも大変。ここから1年が始まるので身も引き締まる」と話した。
同神社では12月31日に「師走大祓式・除夜祭」で一年を締めくくり、新年1月1日の午前零時に大太鼓を打ち鳴らし、参拝者とともに新年を祝い、10時から「歳旦祭」を執り行う。