臼杵市の市街地周辺で現在、「うすき雛(ひな)めぐり」が開かれている。主催はうすき雛めぐり実行委員会(臼杵市観光情報協会内、TEL 0972-64-7130)。
同市観光交流プラザ、久家の大蔵、旧真光寺、サーラ・デ・うすきのメイン会場や飲食店などの協力店21店に、和紙で作った約3000組(男雛、女雛で1組)のひな人形を飾る同イベントは今回で13回目。 初開催のスタンプラリーのほか、ひな人形作り体験、青空市などを実施する。
同協会によると、江戸時代後期、飢饉(ききん)などが重なり臼杵藩の財政が苦しくなったことから、藩は質素倹約を徹底、町民は「紙製のおひなさま」しか飾ることができなくなったという。そうした歴史的背景から、同市ではひな祭りを祝うイベントがなかったため、市内の石崎しおりさん(76)が2006年に「紙雛」を復活させて展示を開始。13年の時を刻んで参加の輪が広がり、ひな祭りシーズンの恒例行事として定着するようになった。今年は、石崎さんを会長とする「うすき雛の会」の会員、臼杵東中、臼杵高の生徒らが新たに約400組を制作した。
スタンプラリーは参加無料で期間中の土曜・、日曜に実施。メインの4会場と稲葉家下屋敷を巡り5つのスタンプを集めると毎回先着100人に、桜餅、シフォンケーキ、あられなどがもらえる。また、4会場に展示されている人形に隠された言葉を集め、1つの文章を当てるゲームも実施。応募用紙に答えを書いて回収ボックスに投函すると後日抽選で記念品が当たる。
2月24日・、25日は稲葉家下屋敷で「うすきマルシェ」、3月3日は中央通り商店街で青空市場、サーラ・デ・うすきで演奏会や人形劇などのイベントが行われる。期間中、協力店では桜餅やひな御前など「雛めぐり」にちなんだ限定メニューを提供。同市観光交流プラザ、サーラ・デ・うすきでは数量限定で「うすき雛」を販売する。
18日は交流プラザで「うすき雛づくり体験」が開かれた。市内外から11人が参加、同会会員から作り方の手ほどきを受けた。それぞれがペンなどで顔や髪の毛を描き、和紙で襟元、着物、帯、袴などを作り、オリジナルの一対を完成させた。イベントを発展させてきた石崎さんは「幼稚園の時から作ってくれている子もいる。これからも続けていくために、そろそろ後継者も育てたい」と笑顔で話す。体験会は2月25日13時からも実施。受講料1,000円。当日申し込み可能。
同市観光情報協会の中野重二さんは「素材が紙なので、作ることができ、気軽に買える、親近感のあるおひなさまを味わってほしい。スタンプラリーで臼杵の史跡や名所、街並みも見て回ってもらえれば」と来場を呼び掛ける。
入場無料(一部有料観覧施設あり)。3月11日まで。