大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で4月5日、「改組 新 第4回日展 大分展」が始まった。
国内最大規模を誇り、100年以上にわたって多くの作家を世に送り出してきた公募美術団体「日展」。今回の大分展は8年ぶりの開催で、2017年秋に開催された日展出品作2931点の中から厳選した246点に、大分県と福岡県の作家の作品を合わせた336点を展示している。内訳は日本画63点、洋画73点、彫刻46点、工芸美術63点、書91点。作品が多数に上ったため、1階展示室Aに日本画・洋画・彫刻、3階展示室Bに工芸美術・書と、会場を2カ所に分けた。
日本画のコーナーには別府市の佐藤加奈さんの「風音に舞う」や、内閣総理大臣賞受賞作品「妖精の女王(シェークスピア真夏の夜の夢)」(田島奈須美さん)など華やかな色合いの作品が並ぶ。洋画コーナーでは大分市出身の佐藤晢日展副理事長の「冬の陽」、中津市で育った中山忠彦日展顧問の「私とは誰か?」といった大分ゆかりの作品も。
絵画会場にはエアスプレーを使った日本画やカラーボールペンで仕上げた洋画もあり、同美術館主幹学芸員の吉田浩太郎さんは「現代美術において最高ともいえる技術が使われている。作品全体を見てから、近づいてそれぞれの技法を細かく見ると、より楽しめる」と話す。
地元作家による作品も充実。彫刻ではJR別府駅前の油屋熊八像を手掛けた辻畑隆子さん(日出町)の「スクッと立つ女」、工芸美術には山口明さん(大分市)の細い竹を組み上げた「舞」、書のコーナーには西村桃霞さん(日出町)の「オーロラに逢う アラスカにて」などが並んでいる。
初日は開場とともに大勢の市民らが足を運んだ。写真撮影も可能とあって、気に入った作品をフレームに収める来場者の姿が見られた。大分市の橋本辰美さん(65)は孫の藤原みゆさん(9)を連れて来場。「日展はどうしても見に来たかった。それぞれの作品の迫力はやはりすごい」と満足そう。みゆさんは「華やかな作品がたくさんあって楽しい。将来はデザイナーになりたい」と話していた。
吉田さんは「美術に疎遠な人でも十分に楽しめるし、面白く見ることができる。日本美術最高峰の作品群を見てほしい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=1,200円、大学生・高校生=700円、中学生以下無料。5月6日まで。期間中、毎週金曜の18時から同館学芸員によるギャラリートークも行う(約60分、同展観覧券が必要)。