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大分市の教会にパイプオルガン 夢の音色響かせ新たな地域財産に

パイプオルガンの音色に聞き入る聴衆

パイプオルガンの音色に聞き入る聴衆

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 大分市の日本福音ルーテル大分教会(大分市大手町2、TEL 097-535-1596)で4月18日、新しいパイプオルガンの披露演奏会が行われた。

お披露目されたパイプオルガン

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 野村陽一牧師が「20年前の礼拝堂建設時から導入を考えていた」という同教会念願のパイプオルガン。イタリアのアンドレア・ゼーニ工房によるオリジナルオルガンで、設計から運送、設置、調律までの総費用は寄付をもとにためてきた約1,600万円でまかなった。

 昨年5月にイタリアから職人が来日。八角形の礼拝堂の音響を確認した上で、自国に戻ってから製作した。完成したオルガンは2つに分けられ、1カ月かけて船便で輸入。大阪港で税関を通り、陸送で9日に同教会へ到着した。

 高さ約5メートルで重さ約1.3トン。筺体(きょうたい)にはバイオリンにも用いられるアカモミの木を使った。パイプは646本で56音・10種類の音色を奏でることができる。オルガンと共に来日したゼーニさんらが10日間かけて、礼拝堂内の響きに合わせて微調整しながら組み立てた。

 同日は地域市民、教会関係者ら約60人が参加。福岡県や愛知県からもパイプオルガンファンや奏者が駆け付けた。はじめに野村牧師が「夢だと思っていたが本当に実現した。大分の地域財産としても大事に使っていきたい」とあいさつ。オルガン製作も手掛けた奏者のアレックス・ガイさんと吉田愛さんがオルガンの概要を説明し、賛美歌のほかバッハやモーツァルトなどの曲を演奏した。

 演奏は1時間30分ほどかけて行われ、聴衆は底から湧くような低音と高らかに鳴り響く音色に酔いしれた。別府市から参加した井村千恵子さん(91)は「礼拝堂に響く深みのある音がすてきだった」。野村牧師は「この音に負けないぐらいの大きな声で賛美歌を歌わなければ」と笑顔で話した。

 パイプオルガンは毎週日曜10時30分の礼拝で演奏する。

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