別府市の鉄輪温泉と明礬温泉で6月10日、地域を盛り上げるイベントが行われた。
鉄輪温泉では、湯治場や地獄蒸しの魅力を伝えるイベント「かんなわ蒸し通りずむ(ツーリズム)」のプログラムの一つ「青空蒸しマルシェ」が開かれた。県内の生産者が鉄輪むし湯の広場でコメ、魚、肉などを、「おおいた Organic Market」が冨士屋 Gallery 一也百(はなやもも)の駐車場で有機野菜などを販売。会場は地元市民や観光客らでにぎわった。
むし湯広場には8団体が出店し、店先に新鮮野菜、貝類などの海産物、豚肉、ジビエ串などを並べた。福岡県から観光で訪れていた50代の夫婦は「新鮮なトウモロコシとジャガイモを買った。すぐに地獄蒸しに挑戦するつもり」と笑顔で話した。
「かんなわ-」は地元有志でつくる「鉄輪ツーリズム」(事務局・冨士屋内、TEL 0977-66-3251)の主催。「鉄輪でのモダン湯治」を掲げ、「食」「温泉」「癒し」をキーワードに29の体験型プログラムを実施している。この日は同マルシェの食材で作った料理を味わえる「1日限定ランチ」や鉄輪地域を歩いて一周する「ロングウォーキング」なども行われた。開催日や参加方法、料金などはプログラムにより異なる。詳細を説明した専用ガイドブックはホームページで確認できる。6月30日まで。
明礬温泉地周辺では「お地蔵様のおせったい」が開かれた。メインイベントのスタンプラリーは雨で中止となったが、菓子の無料配布や紙芝居などを行い、来場した親子連れらを楽しませた。
地元自治会でつくる実行委員会(事務局・岡本屋旅館、TEL 0977-66- 3228)の主催。参拝者をもてなす伝統文化の保護を視野に2009年から毎年開催している。今年は雨の影響もあり、本部会場の「ホテルさわやかハートピア明礬」に集約して開催した。
イベントには日本文理大・人間力育成センターの学生15人もボランティアで参加。明礬温泉の法被をまとい「おせったい」にまつわる紙芝居を演じたほか、子どもたちにたくさんの菓子を手渡した。
大分市から来場した親子連れは宿泊券などが当たるスタンプラリーの中止を聞き、「歩く気満々で来たので悔しい。来年に期待したい」と残念そうな表情で話していた。