大分で7月18日に開幕するアートイベント「おおいたトイレンナーレ2015」出展作品の公開制作が4日、府内中央ビル(大分市府内町1)1階のトイレで行われた。
大分市の中心市街地にある商店・施設のトイレをアートにした作品を会場に開く同イベント。2013年に中心市街地活性化事業として実行委員会を発足し、これまでにワークショップやシンポジウムなど準備を進めてきた。「トイレンナーレ」は3年に1度開催される国際美術展覧会とトイレをもじった造語。
コンセプトは「ひらく」。「街が『ひらく』、街に『ひらく』。アートを通して、心が『開く』」としている。3つの見どころとして、「トイレのみを会場とするアートプロジェクト」「街の奥深くに広がる箱庭的世界観」「毎週末に行われる、多彩なイベント」を実行委員会は用意する。
今回の公開制作を手掛けたのは、演劇作家で劇団チェルフィッチュを主催し、2005年に「三月の5日間」で第49回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、国内外で注目を集める「岡田利規」さん。
作品のタイトルは「つぎの世界のすぐ手前」。岡田さんは「下見に来た時この場所が面白いと感じた」という。演劇をメーンに活動する岡田さんは「アート作品の制作は今回で2回目」と話す。
岡田さんは「トイレ自体が面白い場所。掃除の人に制作途中の作品を消されたりした。そこに「トイレンナーレ」の本質を見た」と話す。「同地の空間が持っていたものにちょっとだけ手を加えて面白さを引き出した感じ。見た人がどう捉えるかが楽しみ」と期待を寄せる。
同会事務局の佐藤栄介さんは「本番まであとわずか。世界初といってもよい、トイレを舞台にしたアートイベントの作品を実際に見てもらえれば」と来場を呼び掛ける。
イベント期間中、全16組のアーティストによる作品展示や岡田さんが手掛けた劇団チェルフィッチュの新作パフォーマンス公演「わたしは彼女に何もしてあげられない」などパフォーマンス公開を市内14カ所で予定している。中心市街の商店や施設のトイレでは現在、すでに完成したアート作品7作品をプレ公開している。
会期は9月23日まで。