「パン&スイーツの店MASAO」(大分市都町3)が9月19日、大分市の繁華街にオープンした。夜間営業専門の製パン店で、早くも仕事帰りの会社員や深夜族でにぎわう人気店となっている。
店主の平山正夫さん(55)は別府市の名店「ニュードラゴン」で修業を積んだ元スイーツ職人。自分で店を経営するなど30年以上にわたって洋菓子の世界に身を置いてきたが、一念発起してパン職人へと転身した。同じ場所で営業していたパン店が6月末に閉店することを聞き、内装や工房などを引き継ぐ形で開業した。
店舗はジャングル公園の南側にあり、繁華街の真ん中に位置する。夕方の開店時間になるとともる赤いネオン看板が特徴。面積は約33平方メートル。常時約20種類のパンを並べている。売れ筋は塩パン(129円)、あらびきウインナー(216円)などの調理パンで、ハートのチョコパン(183円)や明太フランス(216円)、デニッシュ系も人気となっている。
パン作りは1人でこなしており「1時間に2、3種類を焼き上げるので精いっぱい。種類は減らしたくないので1種類当たりの数は少なめになる」。週末や周囲でイベントがある際は営業時間を延長して翌3時までフル回転することもあるという。「焼いては並べの繰り返しだが、その分、焼きたてが並んでいる可能性が高い」と笑ってみせる。
開店直後は仕事帰りの会社員と夜勤に向かう飲食店店員で、閉店間際の1時ごろは飲酒後の客らでにぎわう。目的は朝食用や夜食用などさまざまで、中には横の公園で食べていく人もいる。
店にはプリン(162円)、シュークリーム(194円)といった定番スイーツのほか、余ったスポンジとフルーツなどを15センチ角のケースに詰めた「弁当ケーキ」(540円)なども並べる。薄皮のパイ生地にクリームをぎっしり詰め込んだシュークリームは「パンにも負けないぐらい人気」。スイーツ職人ならではの目線は健在で「ケースの照明なども工夫してパンがおいしく見えるようにしたい」と意気込む。
「前の店の常連客から『またパンが買えるようになって良かった』と話し掛けられることも多い。開店して本当によかった」と平山さん。「これから少しずつ種類を増やしたり内装を変えたりして、地域に愛される店に育てていきたい」と話す。
営業時間は17時~翌1時。