別府市のレトロ感漂う路地にある「放浪酒場METAL MOON(メタルムーン)」(別府市元町、TEL 090-1921-1239)が12月1日に開店1周年を迎える。感謝の印に2日間の時間無制限飲み放題プランを用意。扉を開いて地元客や観光客を出迎える。
店主の青木教一郎さん(44)は日出町在住。飲食店で経験を積んだ後、グルメ仲間の後押しを受け、昨年の暮れにJR別府駅の東側に広がる繁華街に店を開いた。石畳の梅園通り沿いに構えた店舗は5坪でカウンター7席。小さな空間ながら、青木さんの誠実な人柄、手製の料理、落ち着いた雰囲気に引き寄せらた客らで日々にぎわう。
人気メニューは豚軟骨のトマト煮込み・バゲット付き(750円)、山芋チーズ鉄板(700円)など。「これからの時期は、八幡朝見神社に湧く『萬太郎清水(まんたろうしみず)』を使った湯豆腐(600円)もお薦め」と青木さん。仕入れによって日替わり料理も用意する。ドリンクは、生ビール(600円)、ハイボール(500円)、焼酎(400円)、カクテル(600円~)。
12月1日が開店記念日。「気付くと1年がたっていた。経験から考えると思った以上にうまくいっているのかも」と振り返り、「もちろん、支えてくれる周囲のおかげ」と感謝する。1周年の還元企画として当日と翌2日に3,000円の時間無制限飲み放題を実施する。「開店直後の19時から閉店までOK。店中の酒を飲み尽くしてもらって構わない」と笑顔で話す。
旅と歴史と絵と温泉を愛する青木さん。10日ほど休みを取って車中泊を続ける「貧乏旅行」が欠かせないという。今年は5月に島根県の出雲大社、10月には高千穂などの中九州を巡り、太古の歴史旅を楽しんだ。客の中には「放浪」の文字に引き寄せられるように入ってくる旅人も。「小型バイクで海岸線を走り、日本一周を目指すという群馬県の若者が来た。おなかが減ったら釣りをして、眠くなったら寝袋に入って、という話が面白く、盛り上がった」と旅談義に花が咲くことも多い。
絵を描くことが好きで、美術商の経歴も持つ。色彩や装飾へのこだわりも強く、店内は海と空の中間色でまとめ「居心地の良さ」を追求した。壁には自作の絵も。「見て感想をもらえればやはりうれしい」
店は日付が変わる頃ににぎわいを増す。「放浪酒場」の名の通り、仕事帰りの飲食店関係者や地元客、ふらりとたどり着いた観光客らがつながるように交流を深めていく。「1周年イベントは初めての人でも利用しやすいと思う。口下手だが、なるべく話し掛けて一人にしないようにするので気軽に扉を開いてほしい」と呼び掛ける。
営業時間は19時~翌3時。月曜定休。