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大分市のシャッター店を「開き店舗」に 女子大学生が商店街の可能性調査

「開き店舗」をオープンした吉田さん(左)と開設に協力した宮本さん

「開き店舗」をオープンした吉田さん(左)と開設に協力した宮本さん

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 大分出身の早大生・吉田安さん(社会科学部1年)が3月5日、「開(あ)き店舗」の実験を大分市の中心街で始めた。「空き店舗」を3週間にわたってフリースペースとして開放。訪れる人の声を基に、ニーズに応える商店街の姿を探る。

利用者が書いたカードを貼り付ける吉田さん

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 大分商高時代は商業調査部に在籍。日頃の部活動や商店街とのコラボイベントなどを通して大分の「まち」と積極的に関わってきた。当時から街中にあった空き店舗が気に掛かっており、「商店街を大事にしたい、商店街の可能性を探ってみたい」との思いを募らせ、春休みを利用して大分に戻り行動に移すことにした。

 開店資金はクラウドファンディングを活用して50万円を調達した。シャッターの下りた店舗を、使い道を定めない空間として開放し、「利用者にどのように使われるか」「市民が街中にどのような空間を望んでいるか」「街に何が必要か」などを調査する。アンケート調査、イベント、来店者とのトークなどから得た情報を分析し、調査結果をまとめた報告書を出資者らにリターンする。

 旧友や取り組みを通して知り合った仲間の協力を得て、府内5番街の「なぎさやビル」(大分市府内町2)1階にオープンした。店舗面積は66平方メートル。大型ベンチ2台を据えたほか、来店者が自由に書き込める雑記帳を置いたり、街や商店街への思いや希望をカードに書いて貼ったりできるコーナーを設けた。こだわりのコーヒー(250円)、カフェオレ(300円)などを味わえるテーブルも用意した。

 開設に協力した高校時代の同級生・宮本七海さん(県立芸術文化短大1年)は「吉田さんの考えに共感した。力いっぱいサポートしたい」と心強い。吉田さんは「休憩所、飲食スペース、イベント広場など使い方は自由。調査目的以外にも、街に足を運ぶ理由を増やし、人と人をつなぐ場所になればうれしい」と話す。

 今後は3月7日~14日に「古着屋yutori」の展示販売会、9日に書道イベント、10日に飛び入り参加や委託販売ができるフリーマーケットを開く。15日~17日はフリーペーパー発行などを手掛ける「ぼくらが街に出る理由」が雑貨、古本、ポストカードなどを販売する。23日には母校の商業調査部によるイベントも予定する。

 大学では地域連携や社会デザイン、都市計画などを学んでおり、卒業後はUターンして大分で働く夢を持つ。吉田さんは「いろいろな人の声の中に未来の大分と商店街につながるヒントやアイデアがあると思う。気軽に足を運んで考えや思いをぶつけてほしい」と呼び掛けている。

 開店時間は10時~20時。3月25日まで。イベント利用などの問い合わせはインスタグラムで受け付ける。

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