スタッフや客が互いの夢を応援する別府市のラーメン専門店「夢を語れ 別府」(別府市石垣東10)は現在、7月21日投開票の参議院議員選挙で投票した人にラーメン1杯を無料で提供するサービスを行っている。自己申告制で、期日前投票や開票後も1週間有効。オーナーの西岡津世志さん(39)は「来店してみんなの夢を聞かせてほしい」と呼び掛けている。
しょうゆ豚骨、太麺、山盛り野菜にチャーシューという「二郎系」のラーメン店で、2018(平成30)年9月にオープンした。独立を目指すボランティアスタッフが調理場に立ち、来店者は食後に夢を語る機会が与えられ、小中学生は思いを話すと代金が無料になるという斬新なスタイルを取り入れている。
西岡さんは滋賀県出身。東京で腕を磨き2006(平成18)年に独立。京都や大阪などに店を開き、2012(平成24)年に米国ボストンで「夢を持てる人を増やしたい」と「Yume Wo Katare」を開店した。別府店はその思いを受け継いだ店で、連日、夢を語る大人や子どもでにぎわい、壁はそれぞれの思いが書き込まれた紙で埋まっている。夢を語った小中学生はこれまでに600人を超えているという。
選挙イベントは「夢に満ちた店の空気を感じてほしい」との思いで実施。来店時に投票証明や写真などを提示すれば1人1回、1杯(800円~)が無料となる。口頭で「投票した」と伝えるだけでも認める。期日前投票の場合はさらに味付け卵かチーズのトッピングを無料サービス。開票後も28日まで有効とする。
「大盤振る舞い」の取り組みに、西岡さんは「投票と夢を語ることはどちらも重要。自分としては当たり前のことをしただけ」ときっぱり。「もちろん、投票を通して国のため、人のため、自分のために何ができるかを考えるきっかけになればうれしい」と話す。
西岡さん自身の夢は「夢を語れ」の世界展開。それに先立ち、2020年中に47都道府県へ出店することを目標としている。すでに西岡さんの下で「空間づくり」を学んだ弟子たちが北海道や千葉、広島などでの開店を予定。西岡さんは「夢を失わずに楽しく笑って過ごせる人を増やしたい」とし、「夢と行動を直結させる面白さを広めていきたい」と意気込んでいる。
営業時間は火曜・木曜・金曜=18時~22時、水曜=12時~14時・18時~22時、土曜=11時~14時・18時~22時、日曜=11時~14時。月曜定休。