日本で最も古いとされる映画祭「第44回湯布院映画祭」が8月22日から4日間、由布市湯布院公民館(由布市湯布院町川上)などで開かれる。今年は製作の全工程に関わりながら観客からは見えにくい「映画プロデューサー」を特集する。会場入りするゲストは俳優の柄本佑さん・安藤サクラさん夫妻ら。
22日に前夜祭を開き、23~25日の本編で「特別試写」、新作扱いの「特別上映」、短編など全12本を上映する。特集ではプロデューサーの佐藤現さん、森重晃さんに光を当て、2人の7本を紹介。終映後のシンポジウムなどで原作権の獲得、資金調達、キャスティングなどプロデューサーの役割について語ってもらう。
佐藤さんはオリジナルにこだわった映画作りが特徴。「僕たちは世界を変えることができない。」(23日)、「犬猿」(同)など3本を上映する。森重さんは「稲村ジェーン」(1990年)、「光の雨」(2001年)といった話題作を手掛けてきた。同映画祭にも多数、参加しており、今回は「不夜城」(24日)、「蜜のあわれ」(同)など4本を上映する。
シンポジウム対象作は佐藤さんらのプロデュースで安藤さん出演の「百円の恋」(23日)、森重さんがエグゼクティブプロデューサーとして関わり、柄本さんが出演した「火口のふたり」(25日)など人気・話題作7本で、俳優陣も登壇する。
22日は前夜祭として2本を無料公開。18時から公民館2階大会議室で「百憶年」、20時からJR由布院駅前特設会場で、美空ひばり出演の「花笠道中」を上映する。駅前会場では18時30分から「カンガ・ダンススタジオ」「由布院神楽保存会」のステージがある。21時30分から懇親会を開く。
このほか23~25日は22時からゲストを交えたパーティーを開催。参加ゲストは8月5日現在、佐藤さん、森重さんのほか、監督の才谷遼さん、HIKARIさん、隅田靖さん、荒井晴彦さん、脚本家の足立紳さん、映画評論家の野村正昭さん、渡辺武信さん、俳優陣は柄本・安藤夫妻のほか、佳山明さん、鎌滝えりさん、村上淳さんら24人が名を連ねている。参加ゲストは日によって異なる。湯布院入りは佐藤さん22日、森重さん24日で、安藤さんは23日、柄本さんは25日を予定している。
前売り券は全ての催しに参加できる全日券が2万2,000円(100枚限定)、映画券は1,400円で「特別試写」「特別上映」は1作、「一般上映」は2作を観賞できる。当日券は「一般上映」=900円、「特別試写」「特別上映」=1700円。子ども券=500円。由布市内の小中高生は「一般上映」無料。シンポジウムは300円、パーティーは5,000円で参加できる。
湯布院映画祭は地元や大分市のボランティアで作る実行委員会(湯布院映画大分事務局、TEL 097-532-2426)が1976(昭和51)年から開催。上質な日本映画を題材に毎回テーマを決め、作品に関わる多彩なゲストを招へい。シンポジウムやパーティーで市民と邦画ファンが監督や俳優、脚本家らと交流できる場を設けている。地域映画祭の草分け的存在で、過去には全国に先駆けて「お葬式」(1984年)、「月はどっちに出ている」(1993年)などを取り上げ、「湯布院発」というワードも生み出した。実行委員やボランティアは随時募集している。