数十年に1度咲くとされるリュウゼツラン(アガベ)の小さな黄色い花が、大分市の小料理店「きょん家」(大分市中央町2、TEL 097-537-7662)で見頃を迎えている。開花が珍しいことから触ると幸福になれるともされ、店主の藤田陽子さん(47)は「幸せのお裾分けができれば」と話している。
メキシコなどの原産で、テキーラの原料となる。開花後に枯れるが根から子株が育ち、数十年後に再度、咲くとされる。藤田さんは8月下旬に近隣の生花店で鉢植えの1株を見つけ、「いつ咲くか分からない」という魅力に引かれて購入したという。
同店はビル1階の奥にあり、店外の雨の当たらない通路に鉢を置いて育てた。購入後しばらくすると80センチほどだった花茎がぐんぐんと伸び、9月下旬には3メートルに達した。開花は9月25日ごろ。「黄色い花粉のようなもの出てきたので『何だろう』と思い、ネットで調べた。開花は珍しいと言われていたのにすぐに咲いたので本当に驚いた」と笑う。
現在、およそ15房の3分の1ほどが開いており「まだ1週間ほどは楽しめるのでは」と藤田さん。開花に合わせて10月1日からは「アガベ割」も開始。「来店時に『アガベ』と口にしてくれたら日本酒(700円)でも何でもドリンク1杯無料にする」
大分市の佐野植物公園の園内にもリュウゼツランはあるが咲いておらず、開花の問い合わせについても「これまでにない」という。藤田さんは「各地の開花の報を調べる中で『3回さすると幸せになれる』という話もあった。縁起物なので気軽に触りに来てほしい」と呼び掛ける。