ラグビーワールドカップ2019日本大会の大分開催が10月2日、ニュージーランド対カナダ戦で始まった。試合会場に向かうシャトルバスが初運行したほか、大分市内のファンゾーンやパブリックビューイング(PV)会場は国内外のファンらでにぎわい、「大分開幕」は活況に沸いた。
大分スポーツ公園総合競技場(昭和電工ドーム大分)へのシャトルバスは、JR大分駅南口の大分いこいの道広場(大分市東大道1)の発着で、15時15分の始発を40分ほど早めて運行を開始した。乗車待ちの行列は16時30分ごろをピークにJ:COMホルトホール大分を1周以上する長さになったが、時間とともに解消。17時30分過ぎには並ばずに乗れるようになった。
いこいの道広場のファンゾーンは、黒いジャージーを着たオールブラックスファンや、赤と白の帽子をかぶったカナダファンらでにぎわった。屋外の飲食ゾーンでは両国のファンが乾杯するなど、そこここで「試合前のノーサイド」のシーンが見られた。260インチのスクリーンでPVを行う大型テントは16時30分に一時入場を規制。18時前に両国のファンが試合会場に移動したこともあり、一度解除されたが、その後再び規制された。
大分市の祝祭の広場(大分市中央町1)のPV会場は、立ち見のほか、地面に座ってキックオフを待つ市民らでぎっしりと埋まった。19時15分ごろにオールブラックスの「ハカ」が大画面に映し出されると「おーっ」という歓声に包まれ、写真や動画に収める姿が数多く見られた。臼杵市の40代男性は「ハカを見るのが長年の夢だった。まさか大分で見られるとは」と感慨深げに話した。
試合会場では、16時30分ごろに席に着いたという大分市の40代男性は「外は雨で湿度も高くドームの屋根も閉じていたが、スタンドは暑くもなく予想以上に快適だった」と驚いた様子。張り替えたハイブリッド芝にも「ものすごくきれい」と感動していた。飲食のブースは唐揚げやビールのブースなどに長い列ができ、大会記念グッズのブースは1時間待ちという人気だった。
試合は世界ランキング1位のニュージーランドが63-0でカナダを圧倒。日出町の40代男性は「カナダに点を取ってもらいたかったが、オールブラックスはさすがの強さ」と満足げ。別府市の女性は「接戦の試合も見てみたい気持ちになった。準々決勝のチケットが買えるかどうか調べたい」と興奮した様子で話した。
試合終了後はシャトルバスに乗車待ちの列ができたが、大きな混乱はなかった。会場を21時20分過ぎに出たという大分市の家族は「バス停まで20分歩き、それからバス待ち。大分駅に着いたのは23時15分だった」。JRでは博多方面への特急列車について一時入場規制を実施。北九州市から試合を見に来たという親子は「中でイライラしながら待つよりはいい」と話した。
23時を過ぎると駅前の複数のラーメン店の前には行列ができた。大分市の20代男女は「スタジアムで熱中しすぎたのか、バスを降りて急に空腹を覚えた」と笑いながら話した。アミュプラザおおいた1階の豊後にわさきいっぷく横丁と豊後にわさき市場では2日・9日・19日・20日の営業時間を朝5時まで延長。焼き肉店ではオールブラックスファンが勝利の祝杯を挙げた。
大分では今後、予選プール戦のオーストラリア対ウルグアイ(5日、14時15分)、ウェールズ対フィジー(9日、18時45分)と、準々決勝の2試合(19日・20日、16時15分)が行われる。