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ジョン・レノンへのファンの思い 別府生まれの小さな竹鈴に

「白×赤」の別府竹鈴と高江さん

「白×赤」の別府竹鈴と高江さん

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 12月8日はビートルズのジョン・レノン(1940~1980年)の命日に当たる。死後40年近くがたった現在も音楽人としての魅力は色あせることなく、ファンの思いは別府生まれの小さな竹鈴の中にもひそかに息づいている。

別府市竹細工伝統産業会館の竹鈴

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 竹鈴は別府伝統の竹細工で、「六つ目編み」の中に鈴を入れた直径約2センチの飾り物。シンプルなデザインと「チリリン」というかわいらしい音が特徴で、昭和の別府土産の定番だった。現在、当初の製造元はなくなっているが、複数の製造者が受け継ぎ、時代をまたいで作り続けている。

 別府竹細工の伝統工芸士・高江雅人さん(64)も、自身が営む「竹工房オンセ」(宇佐市安心院町萱籠、TEL 0978-48-2027)の通販サイトで取り扱っている。

 竹鈴は外注品で、1つ330円で販売しているが、時折入る注文の中に「白(色付けしていない竹)に赤いひもを付けたものを1つ」という指定が何回かあったという。以前から気に掛かっていた高江さんは客の一人に理由を聞いたところ、レノンがギターヘッドに同様の竹鈴を付けている写真があり、それを元にたどってきたと知らされた。

 高江さんが初めて買ったレコードはビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(1967年発売)。一人のファンとして「詳細は分からないし儲けもほとんど無いけど、その分、ロマンを感じられて幸せ。別府生まれの小さな鈴は時代を超えた力を持っているのかも」と笑顔で話す。 

 今年8月、高江さんはそうした経緯を自身のブログやフェイスブックに投稿した。同様の竹鈴を販売している別府市竹細工伝統産業会館(別府市東荘園8)でも「高江さんの投稿で初めて知った職員が多かった」。

 同館では白、赤、緑の竹鈴を200円で販売。「白×赤ひも」は子どもや孫の土産用に人気だが、購入者がレノンについて切り出すことはほとんどないという。「レノンの話は確認のしようがないので、ビートルズ世代の方に折を見て話す程度にしている」と控えめだ。

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