プロの似顔絵師として大分を中心に活動するラクガキヤのマコ・大澤真琴さん(35)が4月4日から、テークアウト用料理の魅力を画像や文字で伝える「POP」の無料製作を始めた。新型コロナウイルスの影響に悩む飲食店などを元気付ける取り組みで、店と店を応援する客に「気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。
コロナ禍にあえぐ飲食業の友人や知人を支える目的でフェイスブックなどのSNSツールを通して告知した。「目の前に苦しむ仲間がたくさんいた。何ができるかを考えたが、自分にはこれしかなかった」と大澤さん。
タブレット端末を使い、テークアウト用の料理や弁当、雑貨などを写した画像に、商品名、価格、コメント、店名、問い合わせ先などの情報、店主らの似顔絵を描き込んで完成させる。POPはSNSツールで公開したり、印刷して店内に貼ったり自由に使用できる。テークアウト商品のほか「アフターコロナ」を見据えた店のイメージPOPなどにも対応する。
店側の申し込みのほか、「この店を紹介したい」「この味を知ってほしい」という客からの申し込みにも応じる。店主やオーナーの許可を絶対条件に、客の応援を形にする。大澤さんは「SNSツールを使っていない、うまく告知ができないといった、より苦しい立場のお店の役に立ちたい」と話す。
フェイスブックページなどから申し込む。1店(人)1日1回で、日にちを分けて複数回の利用も可能。細かな修正やリクエスト、納期指定などは不可。対応は先着順で現在の待ち時間は「半日」。4月30日まで受け付ける。
9日までに大分、東京、宮崎などの飲食店や雑貨を扱う個人から15件の申し込みがあった。別府市の焼き鳥店からは「テークアウトできることを知られていないので助かる」と喜ばれたという。大澤さんは「やる気、元気、笑顔が生まれればうれしい。頑張っている人たちの一歩を支えられれば」と意気込む。