臼杵市で現在、医療現場で不足しているビニールエプロンを作り、臼杵市医師会立コスモス病院に届けるボランティア活動が活発化している。商店主が作り方を紹介する動画を配信したり、テント店が無償で作ったりするなど後方支援の輪が広がっている。
平林真一さん(41)は仏具店「山本鳳凰堂(ほうおうどう)」(臼杵市畳屋町、TEL 0972-63-4187)の5代目。新型コロナウイルスによる医療現場での物資不足が叫ばれる中、同病院がフェイスブックページに投稿した「一日に数百枚を消費するエプロンが足りない。作って届けてほしい」という声にいち早く反応した。「何か役立てる取り組みはないかと考えていたところに、ぴったりと当てはまった」と話す。
動画では45リットルのビニール袋を使った作り方を紹介。製作の全体像が見えるように斜め上部から撮影したほか、ビニール袋の4隅にフェルトペンで色付けするなどして工程が分かりすくなるよう工夫した。「何をいつまで求められているかを気にしながらきっちり作ろう」「最前線で働いているスタッフの思いを想像しよう」などと呼び掛けながら、約9分にまとめた。
病院側と話し合い、「マスクと手洗いを徹底する」「三密では作業しない」「体調が悪い人は作らない」「できるだけ清潔な環境で作業する」などの基本事項を確認。4月19日から動画配信サイト・ユーチューブの「うすきチャンネル -USUKI channel-」で配信を開始した。「(エプロンは)どれだけあってもいいものだと思う。家にいながらにして、医療現場をサポートする喜びを共有できたら」と話す。
後藤テント(臼杵市唐人町、TEL 0972-62-3158)では、従業員がボランティアのエプロン作りを進めている。専務の後藤達朗さん(35)は「地域住民として、ただ、助けたいと思った」と話す。
ポリエチレン製のシートを型紙に合わせて裁断し、袖なし型とかっぽう着型のエプロンを製作。シートは0.02ミリの薄さで「急いで脱ぐ場合にすぐに剥ぎ取ることができる」。袖なし型は4月中に900着、5月に入って324着を作り、病院に届けた。
製作に手間が掛かるかっぽう着型は大型連休中に作業を集中させた。袖となる筒状の部分を1つずつ電気熱で溶着し、空気が入らないように元の形に畳む。業務の合間を縫っての作業で「一日に作れる数は数十着」と後藤さん。6日までに100枚を作って納品した。
型紙は繰り返し使えるようにテント用の生地で作っており、希望者には配布するという。後藤さんは「臼杵市内だけでなく大分県、全国の医療機関で医療用エプロンは不足していると思う。こういう時だからこそ助け合っていきたい。いつでも連絡してほしい」と呼び掛けている。