別府市の外郭団体「別府市産業連携・協働プラットホームB-biz LINK(ビービズ・リンク)」(別府市末広町1、TEL 0977-76-5205)は6月25日、コロナ禍終息後の観光回復を目的として、PR動画「別府 THE ONSEN JOURNEY 」を公開した。自然地理学の観点を交えながら、別府温泉の魅力を映画仕立てで紹介している。
PR動画「別府 THE ONSEN JOURNEY 」を紹介する堀さん
別府を「マイホームタウン」とする男性が、別府の成り立ちや温泉の歴史などを紹介する様子を描いている。実写とCGを使い、「125平方キロメートルの市内におよそ2300の温泉源がある」「別府の両端を走る2本の断層沿いには8つの温泉エリアが存在する」などと説明。260万年前の火山活動までさかのぼり、地下のマグマと雨水の関係について「今日漬かるお気に入りの温泉は50年前のあの日に降った一粒の雨かもしれない」と詩的に解説している。
このほか、温泉郷に至った歴史や、温泉の楽しみ方、温泉熱を利用した「地獄蒸し」の調理、温泉を使った染め物の奥深さも伝えている。
地球物理学者でもある京都大学名誉教授の由佐悠紀さんが監修。今後のインバウンド利用を見込んでナレーションを英語にし、日本語字幕を付けた。フルバージョンは7分20秒でダイジェスト版は30秒。別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生が運営する「ステッキ」が制作した。総事業費は1,400万円。
動画投稿サイト・ユーチューブで公開。7月6日までにおよそ3万2000回が再生されており、「壮大な映画」「吹き替え版も作ってほしい」などのコメントが寄せられている。
別府観光は新型コロナウイルスの影響で観光客が9割減となるなど大打撃を受けた。ビービズ・リンクは8月から政府が実施を予定する観光需要喚起策「Go Toキャンペーン」を前に「動画で別府温泉を国内外にアピールしたい」とする。観光マーケティングチームの堀景さん(47)は、「別府温泉がいろいろな偶然が重なって湧き出ている温泉であることを多くの人に知ってもらいたいと思った。一息ついたらその『奇跡の湯』を味わいに足を運んでほしい」と呼び掛けている。