大分市の讃岐うどん専門店「めだか」(大分市府内町2、TEL 090-8297-4072)がフジヨシ醤油(別府市光町9)と共同開発しただししょうゆ「L(エル)」の販売を7月15日から店内などで始めた。「だし文化」を世界に広めたいという店主の東隆二さん(54)が地元企業の力を借りて仕上げた渾身(こんしん)作で、「家庭で専門店に劣らぬ味を楽しんでもらえれば」と話している。
東さんは讃岐うどんの本場・香川県で修業を積み、2016(平成28)年8月に開業した。繰り返し練って熟成させたもちもちの自家製麺と、北海道の羅臼産コンブや瀬戸内産のイリコなどで取っただしで作る本格的な一杯を提供し、リピーターを順調に増やしている。
もともと東さんには「うま味に代表される日本ならではだし文化を国外にも広めていきたい」という強い思いがあり、独自のだしを開発して市販する考えを持っていた。今年に入って店の常連だった同社取締役の首藤大比古(ひろひこ)さん(35)に相談し、共同開発の快諾を得たことでだし作りがスタートした。
首藤さんは店で使っているだしをペットボトルに詰めて持ち帰り、工場の責任者と成分を分析。県民に愛される「カトレア醤油」をベースに、サバやかつお節、シイタケなどのうま味を加えるなどして何度も舌で確認しながら約半年をかけて完成させた。
「かつお節や昆布のうま味をあえてとがらせ、癖になる味に仕上げた」と首藤さん。うどんやそうめんといった麺のほかにも茶わん蒸しや煮ものなどいろいろな料理に使えるという。東さんも「深みのあるうま味が味わえる新しいいめだかのだし」と手応えも十分の様子。
商品名の「L」には「Life(暮らし)のLong Road(長い道)で得る(L)もの」といった思いを込めた。東さんは「だし文化を形にして伝える第一歩を踏み出せた。まずは万能つゆとして家庭で使ってほしい」と呼び掛ける。
「付けつゆ用」と「かけつゆ用」の2種類。いずれも濃縮タイプで2.5倍、12倍に薄めて使う。360ミリリットル入りで各1,540円。
営業時間は11時30分~15時。木曜定休。