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別府市に「湯けむり洋菓子店」 「利用者の声×化学」でオリジナル菓子開発

「湯けむり洋菓子店」を開店する永松さんと夫の孝二さん

「湯けむり洋菓子店」を開店する永松さんと夫の孝二さん

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 別府市に大分県の食材を使った「湯けむり洋菓子店」(別府市石垣西10)が11月25日にオープンする。理系の女性店主が、利用者の要望を詰め込んだオリジナルスイーツを販売する。

「湯けむりスコーン」(上)と「かぼす胡椒クッキー」

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 店主は京都府出身の永松奈津子さん(46)。大学で化学分野の研究に携わっていたが、昨年11月に夫の孝二さん(45)の転勤で別府に移住した。奈津子さんの母が菓子教室を開いていたこともあり、生活環境の変化を期に「子どもの頃からの夢の一つだった」という洋菓子店を開くことにした。

 10月に鉄輪温泉にあるチャレンジショップ「スクランブルベップ」に、試験的に出店。SNSなどを通して「大分県の食材」「おいしい以外に求めるもの」などを項目とするアンケートを実施したところ、カボス、甘太くん(サツマイモ)、日田の梨、杵築のミカンといった回答や、「酒に合う」「朝食として食べられる」「低糖質の」などの要望が多数、寄せられた。

 永松さんはそうした声を参考に研究を重ね、化学者の視点でオリジナル菓子を開発した。安心・安全を求める声も多かったことから、素材のバター、小麦粉、砂糖、塩は国産品に限定。ベーキングパウダーはアルミ不使用のものを使っている。菓子作りは乳化などの化学現象を利用することから「化学実験と類似点が多い」と奈津子さん。

 ケーキの「BOSUKA」(240円)には無農薬カボスで作ったジャムを練り込んだ。「湯けむりスコーン(ブルーベリー、パイナップル、バナナ)」(各240円)は「クリームチーズの味とバターの香りが癖になる」。クルミとカボスこしょうを入れた「かぼす胡椒(こしょう)クッキー」(280円)は「白ワインにぴったり」という。このほか風味豊かな「発酵バタークッキー」(280円)、カカオ58%のチョコレートを使った「ショコラ・ショコラ」(380円)などを用意する。

 開店後は、化学も学べる子ども向けの菓子作り教室やコーヒーショップとのコラボイベントなども予定する。奈津子さんは「転居したことで国東のバジルや竹田のサフラン、安心院のブランデーなどを知った。これからも大分の豊かな食材を使って、皆さんと一緒においしいお菓子を作っていきたい」と笑顔で話す。

 営業時間は10時~17時。月曜・火曜・木曜定休(予定)。

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