別府市の中心街にある13の老舗や人気飲食店が、土日に特別メニューの朝食を提供する「Good Morning Beppu(グッドモーニング・ベップ)」が2月20日に始まる。立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生らがコロナ禍にある店を応援し「別府の朝ご飯」という新文化創出を目指す取り組みで、発案者の深川謙蔵さん(30)は「別府を朝から楽しい街にしたい」と意気込んでいる。
予約受け付け用サイト「Good Morning Beppu」も設置
APU在学生と卒業生の6人でつくるクリエーティブユニット「BEPPU RISM(ベップリズム)」の主催。北浜で飲食店「the HELL Record & Sour」を営む深川さんが、新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ飲食店を応援する目的で企画した。
実施に先立ち、フェイスブックを使い朝食に関するアンケートを実施したところ、短期間に別府市内外から175件の書き込みがあったという。深川さんは「観光地でありながら、JR別府駅や中心街には朝から営業している飲食店が少ない。外食の朝ご飯への需要は想像以上に大きかった」と話す。
「おはよう別府 最高の朝を別府で。」を掲げ、2月の第3、4週の土曜・日曜(20・21日、27・28日)の4日間、8時から11時の間で実施する。
参加店舗は「火鍋にしだ」「お料理縁がわ」「とよ常本店」「noodle factory LIFE」「元町バル」「TANE」「すみ田」「ブルローネ」「平壌苑」「生湯葉宮本」「北海道ダイニングHAL」「Beppu Sake Stand 巡」「3h Morning Cafe(the HELL Record & Sour)」。ジャンルは和食、カレー、イタリアン、ラーメン、中華のほか、ビーガン(完全菜食主義者)料理など。それぞれがイベント専用の特別メニューを900円から1,500円で用意する。参加日時は店舗ごとに異なる。
利用日時や人数を事前につかめるよう予約優先とし、受け付け用の専用サイトも立ち上げた。「店側の、食材調達のリスクや利用者受け入れの手間などをなるべく減らすようにした」と深川さん。
サイトでは各店のメニューや価格、提供数などを表示。予約はフォームから。日時、人数、テークアウトなどを選び、名前や電話番号などを記入する。期限は第3週=19日まで、第4週=26日まで。
2月の4回で得るアンケート結果を生かし、3月中下旬に再実施する予定。その後も観光地や宿泊施設との連携、平日実施なども視野に入れている。「行きつけ店や人気店の特別な朝ご飯を味わい、それぞれの時間や休日を楽しんでほしい」と深川さん。「こうした仕組みが持続して定着し、別府以外にも広がっていけば」と夢を広げている。