大分市の森岡小(大分市曲)の6年生が3月22日、それぞれの夢を書いたパラシュートを積んだ模型ロケット「ドリームロケット」を打ち上げた。担任教諭が、イベントの縮小が続いた一年を耐えた子どもたちに贈る「最後の思い出作り」の場で、卒業を24日に控えた児童がグラウンド上の青空に歓声を響かせた。
新型コロナウイルスの影響で修学旅行は日帰りの県内版に、運動会も半日開催に縮小していたことから、担任の平野愛美教諭が小学校生活を締めくくるイベントとして企画した。模型ロケットの出前授業を行う大分市生涯学習施設「関崎海星館」(大分市佐賀関、TEL 097-574-0100)に実施を依頼。川田政昭館長の快諾を得て実現した。
当初、打ち上げ数は7機としていたが、川田館長が「先生の熱い気持ちに打たれた。全員に打ち上げてもらいたい」と規模を拡大。同館の職員がロケットや発射台、コントローラーを手作りで用意し、6年生37人と担任、副担任、校長分合わせて40セットをそろえた。
「ドリームロケット」は紙製で全長は約40センチ。詰め込んだ火薬を電気発火で爆発させて打ち上げる。およそ3秒間で高さ約80メートルまで上昇したところで逆噴射し、パラシュートを積んだ先端部分を切り離す。
打ち上げは、卒業式に出席できない5年生以下が6年生を送り出す「お別れ式」で実施。6年生は川田館長から打ち上げの方法を教わった後、カウントダウンに合わせて次々と発射した。
「ゼロ」と同時に「シュッ」という音とともにロケットが飛び出すと、グラウンドに歓声が広がった。「中学に入ってもラグビーへのチャレンジを続けていきたい」との夢を書いた石塚優翔さんは「うまく上がってくれた」と満足そう。鈴宮美月さんは「最後に良い思い出ができてうれしい。イベントを用意してくれた先生や海星館の人たちに感謝したい」と笑顔で話していた。