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大分県立美術館で佐藤雅晴展 「東京」や「福島」の姿を実像×アニメで

プロローグの「東京尾行」

プロローグの「東京尾行」

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 大分県臼杵市出身のアーティスト・佐藤雅晴(1973~2019)の展覧会「佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在」(大分経済新聞後援)が現在、大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)1階の展示室Aで開かれている。日常風景をアニメーションの世界に落とし込んだ映像作品など53点を展示し、活動の全貌を紹介している。

第3章の「Calling」(佐藤雅晴展)

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 1992(平成4)年、現・大分県立芸術緑丘高卒。東京芸大、同大大学院を経てドイツ国立デュセルドルフ・クンストアカデミーに研究生として在籍。2010(平成22)年に制作拠点を日本に移した。ビデオカメラで撮影した映像をパソコン上で静止画にし、ペンツールを使って1枚ずつ写し取り、再映像化する「ロトスコープ」技法を活用。国内外で作品を発表し、独特の世界観が評価を受ける中、2019年に45歳で亡くなった。

 個展としては過去最大規模で、会場を7ゾーンに分けて展開。51台のモニターを用いて「東京尾行」「Calling」「福島尾行」といった映像作品を紹介するほか、フォトデジタルペインティングやアクリル画なども並べている。

 プロローグの「東京尾行」は実像とアニメーションを合わせた佐藤の代表作。自動演奏ピアノがドビュッシーの「月の光」を奏でる中、犬の散歩、街中の雑踏、揺れるブランコといった90の映像が流れる。第3章の「Calling」では、人がいない空間に電話の着信音が鳴り響く情景をアニメーションで表している。

 第5章の「福島尾行」は、東日本大震災後の福島の一部を切り取った作品。山積みとなった家電や廃虚などの場面をアニメーション化している。余命3カ月の宣告を受け、病と闘いながら完成させた力作という。

 一部の作品を除いて撮影可能。会期中、毎週土曜14時から学芸員によるギャラリートークがある。参加無料。同展観覧券が必要。

 開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は一般=800円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。入場数は最大200人に限定。当日再入場可能。6月27日まで。

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