暦も9月に変わり、大分県内の空気も秋色に染まり始めた。九重町のタデ原湿原ではハギやススキの共演が始まっている。
くじゅう連山の北の麓に広がる湿原で、2005(平成17)年にはラムサール条約に登録された。隣接する長者原ビジターセンター(九重町田野、TEL 0973-79-2154)を起点に遊歩道(木道)が整備され、四季折々の花を楽しめる。ベビーカーや車いすの利用も可能で、20分から40分で巡ることができる。
同センターによると、9月は、夏と秋の花が入り混じって咲く時期で、多様な種類を観察できるという。紫色のボール状のヒゴタイが終盤となり、白い花びらの先に複数の黒点があるアケボノソウ、ピンク色のツクシフウロなどが見頃を迎える。湿原一帯には密生するハギやススキといった「秋の七草」も楽しめる。
9月1日は夏の日差しが残る中、散策を楽しむ県民らの姿が。大分市から訪れた50代女性は「山に青空に花。自然いっぱいの空間に心が安らいだ。季節を変えてまた来たい」と笑顔。